2018年 第8号
Date: December 20, 2018
|

1.需要家サイドでの電力マネジメント

 

1.1Portland General Electric社が、「スマートグリッドのテストベッド」を3都市で実施

 

    • Portland General Electric社は、3つの異なる都市のプロジェクトで構成される「スマートグリッドのテストベッド」を実施すると発表した。プレスリリースによると、当該テストベッドで「2万人以上の消費者が特別なデマンドレスポンスシグナル及びスマートホーム技術の使用によるインセンティブを得ることができ、更なる電力効率化と、電力消費量及び温暖化ガス排出量の制御が可能となる。」とのこと。当該デマンドレスポンスプログラムは、サーモスタット、給湯装置、電気自動車充電器、蓄電池の価格シグナルを自動化することによってプログラムへの参加を簡素化することを目指している。プロジェクト期間は2年半となっており、要件を満たす消費者のうち66%の参加を目指している。同様のプログラムへの参加率は、全国的には7%以下であることが多く、非常に高い目標を掲げている。当該プレスリリースは以下のリンク参照:

https://www.portlandgeneral.com/our-company/news-room/news-releases/2018/10-11-2018-portland-general-electric-announces-ambitious-smart-grid-test-bed

 

1.2サクラメント電力公社とD.R. Horton社が、2つの地域に104軒のオール電化住宅を建設

 

  • サクラメント電力公社(SMUD: Sacramento Municipal Utility District)は、住宅建設を手掛けるR. Horton社と提携し、2つの新たな地域に104軒のオール電化住宅を建設することを発表した。当該住宅はガスラインに接続されておらず、その代わりにヒートポンプの冷暖房と給湯装置、電磁調理器が備え付けられている。SMUD社は同社のスマートホームプログラムの一環として新築住宅の電化に取り組んでおり、同プログラムでは、オール電化の住宅を建設する業者及びデベロッパーに対して、戸建住宅の場合には最大$5,000、複合住宅の場合には最大$1,750のインセンティブを付与している。さらに、すでに住居を有するSMUD社の顧客の場合も、ガスから電気に変更した場合には最大$13,750のリベートを得ることができる。電力会社が2050年までに温暖化ガス排出を90%削減し、州が2050年までに温暖化ガスを80%削減するという目標をクリアする手段として、オール電化住宅が奨励されている。本件の詳細については以下のリンク参照:

https://www.smud.org/en/Corporate/About-us/News-and-Media/2018/2018/SMUD-and-DR-Horton-agree-to-build-all-electric-homes

 

 

2.エネルギー貯蔵システム

 

2.1. HECOは、7つの太陽光発電と蓄電の併設プロジェクトについてデベロッパーと交渉中

 

  • ハワイ電力会社(HECO: Hawaiian Electric Companies)は、7つの太陽光発電と蓄電の併設プロジェクト(solar plus storage)についてデベロッパーと交渉中であることを公表した。当該プロジェクトでは、オアフ島、マウイ島、ハワイ島に260MW相当の太陽光発電を設置する予定で、同州の再生可能エネルギーとしては最大容量となる見込み。

 

当該7プロジェクトの概要は以下の通り。

  • オアフ島:3つのプロジェクトで約120MWの太陽光発電と515MWhの蓄電池
  • マウイ島:2つのプロジェクトで約75MWの太陽光発電と300MWhの蓄電池
  • ハワイ島:2つのプロジェクトで約60MWの太陽光発電と240MWhの蓄電池

 

当該プロジェクトが公共事業委員会(Public Utilities Commission)にて承認されれば、米国内において再生可能エネルギーを最大規模の割合で導入するハワイ州のポートフォリオに加えられる。Hawaiian Electric社、Maui Electric社、Hawaii Electric Light社 は、既に稼動している8万件近くのルーフトップ太陽光発電システムに加えて、500MW以上の再生可能エネルギーと契約している。

 

本件のプレスリリースについては以下のリンク参照:https://www.hawaiianelectric.com/hawaiian-electric-companies-select-7-solar-plus-storage-projects-for-record-increase-in-renewable-energy

 

 

3.再生可能エネルギー

 

3.1.  LBNLが、分散型及び発電所レベルの太陽光発電市場に関する2つの年次報告書を公表

 

  • ローレンスバークレー国立研究所(LBNL: Lawrence Berkeley National Laboratory)は、分散型および発電所レベルの太陽光発電の市場トレンドに関する2つの年次報告書、Tracking the SunとUtility-Scale Solarを公表した。
  • 「Tracking the Sun」の主な内容は以下の通り。
    • 2017年の太陽光発電設置コストの全米中間値は下記であった。
      • 家庭向けシステムでは$3.7/W(前年から$0.2/W、6%ダウン)
      • 家庭向け以外の小規模システムでは$3.1/W(前年から$0.4/W、11%ダウン)
      • 家庭向け以外の大規模システムでは$2.2/W(前年から$0.1/W、5%ダウン)
    • システムコストは個々のプロジェクト及び州ごとに大きく異なっていた。州レベルでの2017年の設置コスト中間値のレンジは、家庭向けシステムが$2.6/W-$4.5/W、家庭向け以外の小規模システムが$2.2/W-$4.0/W、家庭向け以外の大規模システムが$2.1/W-$2.4/Wであった。三大市場であるカリフォルニア州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州については比較的コストが高く、全米中間値を押し上げていた。
    • 長期的な傾向で見ると、家庭向けのシステムの設置コストが下がった要因の46%がモジュール価格、12%がインバーター価格、残りの42%がその他のBOS(balance of systems)及びソフト(営業コスト、接続認可コスト等)コストの下落に関連していた。
    • 設置コストの低下分は、州のインセンティブおよび補助金の段階的廃止により部分的に相殺されている。

 

「Utility-Scale Solar」の主な内容は以下の通り。

  • 太陽光追跡技術は幅広く採用されており、2017年に設置された電力会社向けのプロジェクトのうち80%近くに採用された。
  • PVプロジェクトの価格中間値は2007-2009年の期間から2/3下落しており、2017年に完成したプロジェクトについては$2.0/Wac (又は $1.6/Wdc)であった。
  • 設置コストの低下及び設備利用率の改善によって電力会社向けソーラーの太陽光発電の「均等化電力購入契約価格(levelized Power Purchase Agreement price)」は急速に低下しており、2006-2012年は平均で年間$20-$30/MWhの低下、2013-2016年は平均で年間約$10/MWhの低下であった。直近のPPA価格は$40/MWh以下であり、最も低いもので$20/MWh程となっている。
  • 太陽光発電が多く普及しているカリフォルニア州等のエネルギー市場では、PPA価格の下落が、太陽光発電の卸売エネルギー市場価格の低下によって一部相殺された。
  • カリフォルニア州では、2017年 のCAISOのリアルタイム市場における太陽光発電の卸売り価格は、平均の卸売り価格の79%であった。
  • 太陽光発電の普及が少ない地域では、太陽光発電は引き続き平均卸売価格よりも高い価格で取引されている(ERCOTでは127%、PJMでは112%)。
  • エネルギー貯蔵システム導入は太陽光発電の価値を改善する方法の一つであり、最近の蓄電池付太陽光発電システムプロジェクトによると、エネルギー貯蔵装置を追加した場合のPPA価格の上昇分は、一年前の$15/MWhから約$5/MWhまで下落している。

 

Tracking the Sunの全文については以下のリンク参照:http://eta-publications.lbl.gov/sites/default/files/tracking_the_sun_2018_edition_final.pdf

 

 

Utility-Scale Solarの全文については以下のリンク参照:http://eta-publications.lbl.gov/sites/default/files/lbnl_utility_scale_solar_2018_edition_report.pdf

 

 

4.これから開催されるイベント

Verdexchange conference

期間:2019年1月27日から2019年1月29日

場所:カリフォルニア州ロサンゼルス

主催者:Verdexchange

URL:https://www.verdexchange.org/

 

Cleantech Forum San Francisco

期間:2019年1月28日から30日

場所:カリフォルニア州サンフランシスコ

主催者:Cleantech Group

URL:https://www.cleantech.com/

 

California Bioresources Economy Summit

期間:2019年1月29日から2019年1月30日

場所:カリフォルニア州バークレー

主催者:The California Air Resources Board, Lawrence Berkeley National Laboratory, and UC Berkeley

URL:https://ww2.arb.ca.gov/bioresourcessummit2018

 

Distributech

期間:2019年2月5日から2019年2月7日

場所:ルイジアナ州ニューオーリンズ

主催者:PennWell Corporation

URL:https://www.distributech.com/index.html

 

Hawaii Energy Conference + Exhibition

期間:2019年3月27日から2019年3月28日

場所:ハワイ州マウイ

主催者:Maui Economic Development Board

URL:https://hawaiienergyconference.com/