2017年6月
Date: August 9, 2017
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【政策・規制関連】

  カリフォルニア州の気候変動ミッション団が中国を訪問し、複数の二者間協定を締結

カリフォルニア州のブラウン(Jerry Brown)州知事は、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB : California Air Resources Board)のメアリーニコルス(Mary Nichols)議長、カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC : California Energy Commission)のロバートワイゼンミラー(Robert Weisenmiller)議長ら州政府関係者の派遣団を引き連れ、5日間の中国における気候変動ミッションに参加し、複数の二者間協定を結んだ。同中国訪問のハイライトは以下の通り。

  • ブラウン州知事と四川省の尹力(Yin Li)省長は、カリフォルニア州と四川省においてクリーンテクノロジー関連のイノベーションと財務支援を強化することを目的とする協定を締結した。同協定では、 成都市の四川天府新区に「カリフォルニア・四川省クリーンテックイノベーションセンター」を設立すること、また、「カリフォルニア・中国クリーンテクノロジーパートナーシップファンド」を創設することを定めている。同協定はまた、インキュベーションスペースを提供し、カリフォルニア州のクリーン電力技術関連の企業が四川省の市場に進出する機会も提供する。
  • ブラウン州知事と江蘇省の党書記の李强(Li Qiang)氏は、クリーンエネルギー技術分野での協力を拡大するための覚書を締結した。姉妹都市であるカリフォルニア州と江蘇省はまた、排出ガストレードシステムなど、温暖化ガス排出や大気汚染を削減するプログラムにおいても協力を拡大することを表明している。加えて、同協定では、江蘇省に「カリフォルニア・江蘇省クリーンテックイノベーションセンター」を設立し、また、江蘇省を「カリフォルニア・中国クリーンテクノロジーパートナーシップファンド」創設に含めることが示されている。。
  • ブラウン州知事と中国科学技術部長の萬鋼(Wan Gang)氏は、四川省、江蘇省との間で締結された地域間協定を基に、「カリフォルニア・中国クリーンテクノロジーパートナーシップファンド」を創設する覚書を締結した。
  • 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とブラウン州知事が面会し、「環境保全に関する技術、イノベーション、トレードに関して協力を拡大していくことの重要性」に関して議論した。
  • カリフォルニア大学と、清華大学の子会社である清華ホールディングスは、「カリフォルニア・中国クリーンテクノロジーファンド」の創設に参加することに同意する覚書を締結した。
  • CECと海淀区は、「カリフォルニア・北京クリーンテックイノベーションセンター」を中関村ハイテックパーク(Z-Park)内に創設すること、および、「カリフォルニア州・中国クリーンテクノロジーファンド」の創設に参加することに同意した。
  • 州知事は、カリフォルニア州と清華大学は「S.-China Climate Change Institute」と呼ばれる共同イニシアチブを設立する意向であることを表明した。このイニシアチブでは、カリフォルニア州と中国の政治リーダー、研究者、科学者、技術者、学生の連携を強化し、特に地域レベルでの気候変動に関する対策や行動につなげることに注力する。

 

本件のプレスリリースは以下のリンクを参照:

https://www.gov.ca.gov/anews.php?id=4-2017-June

 

COP23議長国首相がブラウン加州知事をSpecial Advisor for States and Regionsに任命

  • 今年開催されるCOP23の議長国であるフィジーのフランクバイニマラマ(Frank Bainimarama)首相は、カリフォルニア州のブラウン知事をCOP23の「国と地域のスペシャルアドバイザー(Special Advisor for States and Regions)」に任命した。本発表は、フィジーがUnder2 Coalition(2℃以下連合)に参加することとなったセレモニーにて行われた。Under2 Coalitionは、世界全体の平均気温の上昇を2℃以下に抑えるために取り組むことを約束した都市、州、国の間で締結される国際的な協定である。Under2 Coalitionは2015年にBrownカリフォルニア州知事によって共同設立され、現在では176の自治体が参加している。セレモニーでは、ワシントン州のジェイインスリー(Jay Inslee)知事と、オレゴン州のケイトブラウン(Kate Brown)知事が、トランプ大統領のパリ協定離脱に対して設立された米13州のパートナーシップである「S Climate Alliance(米国気候同盟)」の一環としてCOP23に出席することを表明している。(COP23 : The 23rd session of the Conference of the Parties, 第23回締約国会議)

(UNFCCC : UN Convention on Climate Change、国連気候変動枠組条約)

 

本件のプレスリリースは以下のリンクを参照:

http://newsroom.unfccc.int/cop-23-bonn/fijis-prime-minister-and-incoming-cop23-president-joins-under2-coalition/

 

 

【再生可能エネルギー】

ネバタ州知事がNEM制度を復活させる法案AB405に署名

  • ネバダ州のブライアンサンドバル(Brian Sandoval)州知事は、Assembly Bill 405を成立させる署名を行った。同法案は、2015年12月に規制当局が終了させた同州のNEM(Net Energy Metering: ネットエネルギーメータリング制度)を復活するものである。新しいNEMプログラムの下では、新規の太陽光発電所有者は、余剰発電量に対して小売価格の95%に値するクレジットを受けることができるようになる。ルーフトップソーラーの設置容量が80MWに達するごとに、クレジットは引き下げられ、88%、81%、そして小売価格の75%が下限と設定されている。
  • Sandoval州知事は、他にも2つのクリーンエネルギー関連法案に関して対応を行った。同州のRPS(Renewable Portfolio Standard: 再生可能エネルギー利用割合基準)について2025年までの目標値を25%とする現行RPSから、2030年までの目標値を40%とする法案AB206に対して拒否権を行使し、また、2023年までに200MWのコミュニティーソーラープログラムを創設するとした法案SB392についても拒否権を行使した。理由として、州知事は2018年に検討することになっている規制緩和の効果が現時点では不確かであること等を述べている。

 

本件の詳細は以下のリンクを参照:

https://www.greentechmedia.com/articles/read/nevada-governor-kills-renewable-energy-community-solar-bills

 

 

【エネルギー貯蔵システム】

2017年第1四半期におけるエネルギー貯蔵システムの設置容量は前年度同時期比50倍増

  • GTM Research社とEnergy Storage Associationが四半期ごとに発行するS. Energy Storage Monitorによると、2017年第1四半期におけるエネルギー貯蔵システムの設置容量は71MW/233.7MWhとなり、2016年同時期の50倍に増加した。同レポートの主な事項は以下の通り。
  • 設置容量の91%は、電力供給サイドに設置されたものであり、2016年第1四半期より591%増加となった。
  • 需要家サイド設置のシステムは2016年第1四半期と比較して32%減少した。これは主に、カリフォルニア州のSelf-Generation Incentive Program(自家発電優遇措置制度)が中断されたことに起因しているが、同プログラムは2017年5月に再開されている。
  • 2022年には年間6GW/7.2GWhの市場に成長すると予想されている。

 

Source: GTM Research

 

本件の詳細は以下のリンクを参照:https://www.greentechmedia.com/research/subscription/u.s.-energy-storage-monitor

 

テスラ社とバーモント州電力会社が個人消費者向け蓄電池Powerwallを月額$15で提供するプログラムを開始

  • テスラ社とバーモント州の電力会社のGreen Mountain Power社は、個人消費者にテスラ社のバッテリーシステムPowerwallを$15/月で提供するプログラムを公表した。同システムは、停電時にバックアップ電力として機能し、8-12時間分の電力を各家庭に供給することができる。テスラ社はピーク時の供給予備力と系統安定化サービス向けに上限2,000台のPowerwallユニットを設置しアグリゲートする。テスラ社はまた、Green Mountain Power社とともに、アグリゲートした電源をニューイングランドの電力卸売市場に供給し、その地域の顧客に更なる節約(additional savings)を提供する考えである。

本件に関するプレスリリースは以下のリンクを参照:

https://www.tesla.com/blog/next-step-in-energy-storage-aggregation

 

 

【電気自動車】

PG&E社とBMW社が電気自動車をフレキシブルな電力系統のリソースとして使用できるか検証

  • PG&E社とBMW社は、デマンドレスポンスパイロットプログラム「i ChargeForwardプロジェクト」の結果をまとめた報告書を公表した。同プログラムでは、電気自動車をフレキシブルな電力系統のリソースとして使用可能であるかが検証された。同レポートのハイライトは以下の通り。
  • 2015年7月から2016年12月の間、BMW社はPG&E社に対して、209回のデマンドレスポンスのイベントにおいて100kW分の電力負荷のシフトを提供し、その提供量は合計で19,500kWhとなった。
  • 電力の供給源は、約100台のBMW社のi3車両であり、同車は充電を遅らせるシグナルを受け取ることができる。電気自動車だけでは達成できない容量については、Mini-Eで使用されていたバッテリーパックをリサイクルした定置用のエネルギー貯蔵システムから供給された。平均で、全体の20%が電気自動車から、80%が定置用システムより供給された。
  • 参加者の98%が同プログラムに満足しており、93%の人は、将来もし同じようなプログラムが提供された場合には参加するであろうと回答している。
  • BMW社は、同プログラムのフェーズ2向けにCECより補助金を受け取っている。フェーズ2では、250台の電気自動車を集約(アグリゲート)し、充電を制御することによりダックカーブ緩和等の電力系統安定化に寄与することができるかどうかを検討する予定である。

同レポートの全文は以下のリンクを参照:

http://www.pgecurrents.com/wp-content/uploads/2017/06/PGE-BMW-iChargeForward-Final-Report.pdf

 

 

【グリッド計画】

CAISOとLADWPがエネルギーインバランス市場に参加する合意書を締結

  • ロサンゼルス市水道電力局(LADWP :Los Angeles Department of Water and Power)は、2019年4月より、西部地域エネルギーインバランス市場(EIM : Energy Imbalance Market)に参加する合意書を、カリフォルニア州独立系統運用機関(CAISO : California Independent System Operator)との間で締結した。EIMは2014年11月に開始された8州にまたがるリアルタイム市場であり、グリッド運用機関が発電した電力を管轄外の地域で活用することができるようになることで、コストを下げ、再生可能エネルギーの統合を改善することができるようになる仕組みである。EIMを開始した時点から2017年3月末までの期間で、EIMによって合計$173Mが節約されたとCAISOは見積もっている。

 

本件のプレスリリースは以下のリンクを参照

http://www.caiso.com/Documents/LADWPtoJoinISOsWesternEnergyImbalanceMarket.pdf

 

 

 

【省エネルギー】

ACEEEが米国の大手電力会社51社の省エネの取組状況をランキング化した「The 2017 Utility Energy Efficiency Scorecard」を発表

  • ACEEE(American Council for an Energy-Efficient Economy:米国エネルギー合理化経済評議会 )は、米国の大手電力会社51社のエネルギー効率化とポリシーの状況をランキング化したスコアカードUtility Energy Efficiency Scorecardを初めて公表した。ランキングは、次の3つのカテゴリの18個の項目に関して各電力会社が獲得したポイントに基づいて算出された。1つ目は、節約と消費の量的なパフォーマンス、2つ目はプログラムの多様性と台頭するエリア、そして最後は、目標、ビジネスモデル、および評価についてである。Eversource Massachusetts社とNational Frid Massachusetts社が50ポイント中5ポイントを獲得し、同点でトップにたった。両電力会社は、37.5ポイントを獲得して3位となったPG&Eを10ポイント近く引き離した。下図は、上位10社と下位10社の電力会社名とその獲得ポイントを示している。

 

Source: American Council for an Energy-Efficient Economy

 

レポートの詳細は以下のリンクを参照:

http://aceee.org/research-report/u1707

 

 

【イベント・カンファレンス】

 

  • Electrical Energy Storage (EES) North America
  • 期間:7月10日〜7月13日
  • 場所:カリフォルニア州サンフランシスコ

http://www.ees-northamerica.com/en/home.html

 

  • Energy Storage North America
  • 期間:8月8日〜8月10日
  • 場所:カリフォルニア州サンディエゴ
  • http://www.esnaexpo.com/

 

 

 

  • 2017 Behavior, Energy and Climate Change Conference
  • 期間:10月15日〜10月18日
  • 場所:カリフォルニア州サクラメント
  • 主催:
    • Berkeley Energy and Climate Institute
    • Stanford University Precourt Energy Efficiency Center
    • American Council for an Energy Efficient Economy (ACEEE)
  • http://beccconference.org/