2016年7月
Date: September 9, 2016
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【再生可能エネルギー】

  • カリフォルニア州公共事業委員会(CPUC: California Public Utilities Commission)は、Renewables Portfolio Standard Status Report for Q2 2016(2016年第2四半期における再生可能エネルギー利用割合基準の状況に関する報告書)を公表した。当該報告書では、同州で提供されている小売電力の68%を占める三大私営電力会社(IOU: investor owned utilities)の調達状況が示されている。報告書の主な点は以下の通り。
    • IOUの再生可能エネルギー利用割合基準(RPS: Renewables Portfolio Standard)は、2014年において全体の小売電力の26%程度を調達しており、2015年は29%程度、2016年は31%程度まで増加し、いずれも要件の7%(2014)、23.3%(2015)、25.0%(2016)をクリアしている。
    • 2003年以降、RPS関連プログラムを通じて13,545MW分の再生可能エネルギーが商業稼働を開始している。2016年第2四半期においては、955MWの再生可能エネルギーが新たに商業稼働を開始した。今年末までにはさらに2,114MW分の再生可能エネルギーが稼働を開始し、2017年には967MWが追加される見込みである。

 

2015年には、Senate Bill350においてRPSが2020年に33%という目標から2030年までに50%という目標に引き上げられた。CPUCは、修正要件を実行するための新しいルール作りに取り組んでいる。

再生可能エネルギーに関する季刊レポートは以下のリンク参照:

http://www.cpuc.ca.gov/uploadedFiles/CPUC_Website/Content/Utilities_and_Industries/Energy/Reports_and_White_Papers/RPS%20Q2%20Quaterly%20Report%20Final.pdf

 

  • CPUCは、カリフォルニア州の太陽光発電補助プログラムであるCSI(California Solar Initiative)において、需要家側に設置される太陽光発電容量の目標に、予定よりも1年早く到達したと発表した。CSIのGeneral Market Programを通して、需要家は1,753.6MW分の太陽光発電を設置しており、さらにペンディングとなっているプロジェクトにおいて7MW分の太陽光発電の設置が予定されている。2017年までに1,750MWを設置することを目標としていたが、その目標を上回ることが確実となった。最も設置量が多かった年は2015年で、同州三大私営電力会社の管轄域において1,041MWが設置され、前年より55%増であった。同プログラムは2007年に開始され、税金を資金として毎年$3.3Bの予算が組まれている。同プログラムの年次評価は以下リンク参照。
  • http://www.cpuc.ca.gov/uploadedFiles/CPUC_Website/Content/Utilities_and_Industries/Energy/Reports_and_White_Papers/2016%20CSI%20APA%20FINAL.pdf

 

 

  • SVCE(Silicon Valley Clean Energy Authority)は、CCA制度を用いて100%カーボンフリーの電力を一般家庭およびビジネス部門向けに2017年より提供することを計画していたが、当該計画が同取締役会において承認された。SVCEは12の地方自治体のパートナーシップであり、従来の電力会社に変わる代替策を提供すること、および多くの地域で採用されている”Climate Action Plan(気候変動行動計画)”を実行することを目的として創設された。SVCE管轄内に入るPG&E社の顧客は、自動的にこのCCAに組み込まれるが、参加しないことも可能である。SVCEは、PG&E社より安価とみられる地域の再生エネルギー関連プロジェクトによって、消費者は利益を享受することができると考えている。CCA(community choice aggregation: 地方自治体が個々の電力需要に対し電力を一括購入し供給すること)
  • http://www.svcleanenergy.org/news_items/view/372

 

 

【スマートグリッド】

  • カリフォルニア州独立系統運用機関(CAISO: California Independent System Operator)はエネルギーインバランス市場(EIM: Energy Imbalance Market)のベネフィットアセスメントに関する季刊レポートを公表した。EIMは8州にまたがる地域のリアルタイム市場であり、系統運用機関に数多くのリソースを提供している。レポートの主要な点は以下の通り。
    • 2016年第2四半期の粗便益は推定$23.6Mであった。
    • 第1四半期と比較して利益は25%増加しており、これは主に季節的な要因で電力需要が高まったためである。
    • EIMにより158,800MWhの余剰再生可能エネルギーを利用することができ、67,970メトリッックトン分の二酸化炭素排出を削減することができた。
    • 2014年11月にEIMがリアルタイム市場の運用を開始して以降、$88.2Mの節約に成功している。

当該レポートの全文は以下リンク参照:http://www.caiso.com/Documents/ISO-EIMBenefitsReportQ2_2016.pdf

 

【電気自動車】

  • カリフォルニア州大気資源局(CARB: California Air Resources Board)は、2016 Annual Evaluation of Hydrogen Fuel Cell Electric Vehicle Deployment and Hydrogen Fuel Station Network Development(2016年の燃料電池自動車と充電ステーションネットワークの開発に関する年次評価報告)を公表した。$20M/年の出資によって100件の充電ステーションを設置する目標を掲げているが、目標到達に向けた進捗が報告書の中で詳細に述べられている。報告書の主な点は以下の通り。
    • 同州には26箇所の水素充填ステーションが設置されており、そのうち20箇所は一般が利用することが可能である。
    • CARBは今年末までに38箇所のステーションが新たに設置されると見込んでおり、また出資を受けている50箇所のステーション(多くの小売りではないステーションのアップグレードを含む)は2017年までに作業が完了する見込みである。
    • ロサンゼルス、Coalingaのステーションと、サンフランシスコのベイエリアに設置された新たなステーションにより、カリフォルニア州北部と南部を燃料電池車で移動することが可能となった。
    • DMV(Department of Motor Vehicles)には331台の燃料電池車が登録されており、昨年同期より152台増加している。
    • カリフォルニア州の燃料電池車は2019年に13,500台、2022年に43,600台に到達すると見込まれている。

当該報告書の全文は以下のリンク参照:http://www.arb.ca.gov/msprog/zevprog/ab8/ab8_report_2016.pdf

 

 

【エネルギー貯蔵システム】

  • Landis+Gyr社は、Tucson Electric Power(TEP)向けの10MWのエネルギー貯蔵システムプロジェクトに関して、ON Climate and Renewable社と提携することを発表した。E.ON社は東芝社のSCiB チタン酸リチウム電池を供給する。今回のプレスリリースによると、同技術が採用されたのは、サイクル寿命が長く、高エネルギー密度であり、また急速充電が可能な点が重視されたとのことである。貯蔵施設はUniversity of Arizona Science and Technology Parkに2MWの太陽光発電とともに設置され、2017年初めにも完成する予定である。当該プロジェクトは、配電網における負荷均衡と周波数調整を行い、瞬動予備力(spinning reserve)への投資を回避することを目的として設置を計画している2つの10MW規模のシステムのうちの1つである。TEPは2030年までに再生可能エネルギーの割合を30%とする目標を掲げており、どのように再生可能エネルギーを統合していくことができるかに期待を寄せている。

http://www.landisgyr.com/landisgyr-supplies-10-mw-battery-storage-capacity-large-scale-tucson-electric-power-project/

 

 

 

【企業動向】

  • NextEra Energy社とHawaiian Electric Industries社は、ハワイ州公共事業委員会(HPUC: Hawaiian Public Utilities Commission)が$4.3Bの入札を拒絶したことを受け、買収案を撤回することを発表した。HPUCと州知事のDavid Ige氏は、消費者への利益について懐疑的であり、またNextEra社が2045年までにRPSを100%にするという目標を達成することができるかについて懸念を示した。今回の撤回を受けNextEra社はHawaiian Electric Industries社に解約金$90Mを支払い、さらに今回の取引において発生した費用として上限$5Mを支払う見込みである。
  • https://www.hawaiianelectric.com/nextera-energy-and-hawaiian-electric-industries-announce-termination-of-merger-agreement

 

 

【イベント・カンファレンス】

9月

  • California Climate Change Symposium 2016
    • 9月6日、ロングビーチ
    • カリフォルニア州自然資源庁(California Natural Resources Agency)、 カリフォルニア州環境保護庁(California Environmental Protection Agency)、知事室企画・調査課( Governor’s Office of Planning and Research)が主催するシンポジウム。
    • 気候変動に関する調査結果が報告され、必要な政策や戦略について議論される。
    • http://www.californiascience.org/
  • CAISO年次利害関係者シンプジウム
    • 9月7日〜8日、サクラメント
    • カリフォルニア州独立系統運用機関(CAISO: California Independent System Operator)
    • CAISO年次ステークホルダーシンポジウムでは、ステークホルダーと政策担当者が集い、産業に関わる重要な議題について議論する。
    • また、Technology Showcase(ベンダーによる技術やサービスの紹介)も行われる。Technology Showcaseの参加登録は6月1日まで。
    • http://www.caiso.com/informed/Pages/MeetingsEvents/StakeholderSymposium/Default.aspx
  • Solar Power International
    • 9月12日〜9月15日、ネバダ州ラスベガス
    • 太陽光エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association)とSmart Electric Power Allianceが主催
    • ソーラー関連の最大イベントの一つである。毎年15,000名が集う。
    • http://www.solarpowerinternational.com/
  • Advanced Clean Cars Symposium: The Road Ahead
    • 9月27日〜9月28日、南カリフォルニア
    • ARB(California Air Resources Board)主催。
    • 自動車メーカー、サプライヤー、その他クリーンカー関係者が集い、代替車やそのインフラ関連技術について議論を行う。

 

10月

  • Energy Storage North America
    • 10月4日〜6日、サンディエゴ
    • 2016年のテーマは「北米における、エコシステム構築のためのコスト効率的なエネルギー貯蔵システム導入(Building the Ecosystem for Cost Effective Applications of Energy Storage in North America)」
    • http://www.esnaexpo.com/
  • 第6回年次S. Solar Market Insight