2016年4月
Date: June 23, 2016
|

【再生可能エネルギー】

  • GTM Research社と米太陽光エネルギー産業協会(SEIA: Solar Energy Industries Association)のレポート「S. Solar Market Insight 2015 Year in Review」によると、2015年において太陽光発電システムに係る費用は全体で17%下がったことがわかった。発電所レベル及び商業部門において、同費用は継続的に下がっているが、一方で家庭部門の太陽光発電システムはフラットな状態が続いている。同レポートの主要事項は以下の通り。
    • 商業部門では10%、発電所レベルでは17%のコストダウンがみられた。
    • 家庭部門の平均費用は2015年第4四半期で$3.50/Wであり、そのうち65%が「ソフト関連の費用(soft cost)」であった。
    • 家庭部門以外においては、ソフト関連コストは全体の50%であり、ハードウェアは15%、ソフトウェアは6%のコストダウンがみられた。
    • 2015年第4四半期において、発電所の固定パネル型プロジェクトの平均費用は$1.33/W、太陽光追跡型システムの平均費用は$1.54/Wであった。
    • 発電所レベルでは、商業部門や家庭部門と比較するとソフト関連コストの下落が著しく、固定パネル型で37%、太陽光追跡型で23%のコストダウンがみられた。

詳細は以下のウェブサイトを参照
http://www.greentechmedia.com/articles/read/Pricing-For-Solar-Systems-in-the-US-Dropped-17-in-2015

 

  • Lawrence Berkeley National Laboratoryはレポート「S. Renewables Portfolio Standards 2016 Annual Status Report」を公表した。同レポートでは、全米の再生可能エネルギー割合基準(RPS: Renewable Portfolio Standard)に焦点があてられ、RPSが再生可能エネルギー関連の開発に及ぼす影響がまとめられている。同レポートの主要事項は以下の通り。
    • 米29州およびワシントンC.がRPS政策を策定・実行している。
    • 2015年は139件のRPSプログラム関連法案が提出されたが、そのうち制定されたのは14件のみであり、要件を強化する法案5件と、要件を緩和する法案2件が含まれていた。
    • 2000年以降、再生可能エネルギー発電量の増加のうちの60%、再生可能エネルギー設置量の増加のうちの57%について、RPS政策による影響が考えられる。
    • RPSに起因する設置量のうち64%は風力発電であるが、2015年に追加されたRPS設置量のうち69%は太陽光発電であった。
    • RPSが要求する再生可能エネルギーによる発電量は2015年の215TWhから2030年には431TWhに増加し、新たに60GW分の再生可能エネルギーの設置が必要とされる。
    • RPS遵守において電力会社が負担する費用は2014年に約$2.6Bであり、再生可能エネルギーの平均費用は$12/MWhであった。

同レポートの全文は以下のウェブサイトを参照
https://emp.lbl.gov/sites/all/files/lbnl-1005057.pdf

 

  • Deloitte社の新しい報告書「Unlocking the Value of Community Solar」によると、太陽光発電に対する消費者の需要の高まりを受けて、コミュニティーソーラープログラムが増加していることがわかった。太陽光発電を共有する同プログラムは、住居を所有していない又は太陽光発電に十分なスペースの屋根を所有していない個人やクレジットの面で条件をクリアできない個人が参加することのできるプログラムである。全米の約77%の家庭がルーフトップソーラーを設置することができないと試算されている。本報告書では、電力会社やディベロッパーが消費者にサービスを提供することができる様々な機会を調査しており、ハイライトは以下の通りである。
    • 2010年に存在したコミュニティーソーラープログラムは2件のみであったが、現在は26州で77の電力会社が111件のコミュニティーソーラープログラムを手掛けており、その全容量は106MWに及ぶ。
    • 電力会社は、消費者の需要にこたえ、新たな一括サービスを提供するために共有型のソーラープログラムを手掛けているが、さらに、電力会社は同プログラムの運営によってグリッドの最適化やRPS遵守のための容量増加といったベネフィットを得ることができる。
    • ハワイ州やカリフォルニア州では、政策による義務化によってコミュニティーソーラーが飛躍的に拡大すると見込まれている。6つの州でも同様の法案が可決されており、2つの州ではパイロットプログラムを義務付ける法案が可決され、さらに3つの州ではコミュニティーソーラー関連法案が提出されている。

同報告書の全文は以下のウェブサイトを参照
https://www2.deloitte.com/us/en/pages/energy-and-resources/articles/community-solar-market-renewable-energy-trends.html

 

【スマートグリッド】

  • ハワイ電力公社(HECO: Hawaiian Electric Companies)は、電力網の更新に関する提案書を同州の公益事業委員会(PUC: Public Utilities Commission)に提出した。本提案書では、オアフ島、ハワイ島、マウイ郡の消費者455,000人向けにスマートグリッド技術を導入することが示されている。Smart Grid Foundation Projectという名前で知られている本計画では総額$340Mと見積もられており、2045年までに全ての電力を再生可能エネルギーで賄うという同州の目標に寄与すべく、スマートメーターやワイヤレス通信ネットワーク、その他の電力信頼性・効率化改善につながる技術の導入が計画されている。スマートメーターの設置は、早ければオアフ島では2017年に、ハワイ島とマウイ郡では2018年に、それぞれ開始される見込みである。

詳細は以下のウェブサイトを参照
https://www.hawaiianelectric.com/hawaiian-electric-companies-propose-plan-for-modernizing-electric-grids

 

【省エネ】

  • LBNL(Lawrence Berkeley National Laboratory)はコンセントからの電力消費(plug loads)に関する3つのプロジェクトを開始した。カリフォルニア州では、コンセントからの電力消費が建物で使用されるエネルギーの25%を占めており、さらに増加傾向にあることから、電力効率化政策やゼロネットエネルギービルディングをサポートする同州にとっての懸念材料となっている。本プロジェクトはカリフォルニア州エネルギー委員会(CEC: California Energy Commission)のEPIC(Electric Program Investment Charge)より資金を獲得しており、13TWhの節電による$2Bの節約が期待されている。各プロジェクトの詳細は以下の通り。
  1. ゲーム用コンピュータを対象に、標準ベンチマークプロトコルの構築や効率改善に取り組むプロジェクト。グローバル市場全体のうちゲーム用に使用されるコンピュータはたったの2.5%しかないが、当該コンピュータの電力使用量は全体の20%に及び、増加傾向にある。CECは本プロジェクトに対して$1,386,530の資金を提供している。
  2. コンセントからの待機電力をゼロにしたり、太陽光発電・バッテリーから直接電力供給が可能な直流対応機器など、コンセントからの電力消費の革新的技術に取り組むプロジェクト。CECは本プロジェクトに対して$1,600,000の資金を提供している。
  • エネルギー消費量をモニターし、ローカルネットワークにレポートすることを可能にする通信規格の開発に取り組むプロジェクト。この機能を各機器に統合し、同デバイスを接続やIoTの一部として利用することを目指す。CECは本プロジェクトに対して$1,630,699の資金を提供している。

詳細は以下のウェブサイトを参照
http://newscenter.lbl.gov/2016/04/13/berkeley-lab-projects-save-california-2-billion-annually-energy-costs/

 

【政策、規制】

  • 上院法案(SB:Senate Bill)1547がオレゴン州知事Kate Brown氏によって署名された。同法案には、再生可能エネルギー利用割合基準(RPS: Renewable Portfolio Standard)目標を既存の「2025年までに25%達成」から「2040年までに50%達成」に引き上げる等クリーンエネルギーに関するいくつかのイニシアチブが含まれている。当該RPSは、同州の電力供給量の70%を担う2大私営電力会社、Pacific Power社とPortland General Electric社に適用される。加えて、同法案には以下の要件が含まれている。
    • 上記電力会社にとって、再生可能エネルギー調達にかかるコスト増分が4%を超えない限りRPS達成は必須である。
    • 上記電力会社は、2030年までに石炭火力による発電を停止すること。
    • 全ての電力会社は、「運輸セクターの電力化促進のためのプログラム」を記述した申請書を同州PUCに2016年末までに提出すること。
    • 全ての電力会社は、コスト効率的な電力効率化やデマンドレスポンスリソースに関する計画を立て実行すること。
    • PUCは州レベルのコミュニティソーラープログラムを構築すること。

同法案の全文は以下のウェブサイトを参照
https://olis.leg.state.or.us/liz/2016R1/Downloads/MeasureDocument/SB1547/Enrolled

 

【市場】

  • GTM Research社によると、ベンチャーキャピタル及びプライベートエクイティによるスマートグリッド技術への出資は、2015年は95件、合計$900Mであった。2014年は83件、$1.3Bであった。本報告書のハイライトは以下の通り。
    • 技術カテゴリ別の投資は以下の通り。
  • バッテリー :$204M
  • IoT :$151M
  • エネルギー貯蔵関連ソフトウェア、統合システム:$149M
  • パワーエレクトロニクス :$123M
  • 消費者分析 :$77M
  • ホームエネルギーマネジメント :$67M
  • その他 :$133M
    • エネルギー貯蔵関連への投資が引き続き大きな割合を占めており、トップ3はVionx社(フローバッテリー)の$58M、Younicos社の$50M、Stem社の$57Mである。
    • 再生可能エネルギーが増加するにつれ、パワーエレクトロニクスへの投資が増えている。2015年の投資で特に注目されたのは、Transphorm社の$70M、Smart Wires社の$30.8M、Varentec社の$13Mであった。

詳細は以下のウェブサイトを参照
https://www.greentechmedia.com/articles/read/how-vc-and-pe-investors-spent-their-900m-on-the-grid-edge-in-2015

 

【イベント・カンファレンス】

5月

  • 6回年次Connected & Charged Symposium
  • 5月25日
  • カリフォルニア州 パロアルト
  • 本イベントでは、同地域のプライベート・パブリックセクターのリーダーが集結し、輸送関連技術、マーケットディベロップメント、政策について議論が行われる。

http://www.connectedandcharged.com/

 

6月

  • Silicon Valley Energy Summit
  • 6月3日
  • カリフォルニア州 Stanford University’s Precourt Energy Efficiency Center
  • 本イベントでは、持続可能エネルギーに関心を持つ参加者が集い、業界の重要トピックについて議論を交わす。参加者は、シリコンバレーのスタートアップ、投資家、政策立案者、研究者、他のエネルギー関連の主要ステークホルダーなど。

http://peec.stanford.edu/events/2015/sves/

 

  • Grid Edge World Forum
  • 6月21日〜23日
  • カリフォルニア州 サンノゼ(GTM Research社主催)

本イベントでは、電力系統の変化につながるイノベーションや技術・市場トレンドが紹介される。

http://www.greentechmedia.com/events/live/grid-edge-world-forum-2016

 

  • VERGE Hawaii: Asia Pacific Clean Energy Summit
  • 6月21日〜23日
  • ハワイ州 ホノルル
  • クリーンエネルギー関連の技術やシステムに焦点を当てたグローバルイベントであり、ハワイ州のエネルギー局(Hawaii State Energy Office)と提携し、同州のRPS目標(2045年までに100%の電力を再生可能エネルギーでまかなうこと)の達成に向けた革新的な政策やモデル、技術、インフラについて議論される。

https://www.greenbiz.com/events/verge/honolulu/2016?src=vh16prtnrid

 

 

7月

  • Intersolar North America
  • 7月11日〜14日
  • カリフォルニア州 サンフランシスコ
  • 年に一度の本イベントは、全米で最も大きい太陽光発電関連イベントの一つである。展示会は12-14日、カンファレンスは11-13日の間開催される

https://www.intersolar.us/en/home.html

 

  • EV Roadmap 9
  • 7月20日〜21日
  • オレゴン州 ポートランド
  • 年に一度の本イベントには トップのEVステークホルダーが集い、設置関連のアップデートや注目トレンド、成功事例などについて議論が交わされる。

http://evroadmapconference.com/

 

9月

  • California Climate Change Symposium 2016
  • 9月6日
  • カリフォルニア州 ロングビーチ
  • カリフォルニア州自然資源庁(California Natural Resources Agency)、 カリフォルニア州環境保護庁(California Environmental Protection Agency)、知事室企画・調査課( Governor’s Office of Planning and Research)が主催するシンポジウム。気候変動に関する調査結果が報告され、必要な政策や戦略について議論される。

http://www.californiascience.org/

  • CAISO主催年次Stakeholder Symposium
  • 9月7日〜8日
  • カリフォルニア州 サクラメント
  • カリフォルニア州独立系統運用機関(CAISO: California Independent System Operator)の年次ステークホルダーシンポジウムでは、ステークホルダーと政策担当者が集い、産業に関わる重要な議題について議論する。また、Technology Showcase(ベンダーによる技術やサービスの紹介)も行われる。Technology Showcaseの参加登録は6月1日まで。

http://www.caiso.com/informed/Pages/MeetingsEvents/StakeholderSymposium/Default.aspx

  • Solar Power International
  • 9月12日〜15日
  • ネバダ州 ラスベガス
  • 太陽光エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association)とSmart Electric Power Allianceが主催する、ソーラー関連の最大イベントの一つである。毎年15,000名が集う。

http://www.solarpowerinternational.com/

 

10月

  • Energy Storage North America
  • 10月4日〜6日
  • カリフォルニア州 サンディエゴ

2016年のテーマは「北米における、エコシステム構築のためのコスト効率的なエネルギー貯蔵システム導入(Building the Ecosystem for Cost Effective Applications of Energy Storage in North America)」

http://www.esnaexpo.com/

 

  • 第6回年次S. Solar Market Insight
  • 10月25日〜26日
  • カリフォルニア州 サンディエゴ
  • GTM Research社主催のイベント。同社が太陽光エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association)と作成した年次報告書の情報をもとに、市場分析を行う。

http://www.greentechmedia.com/events/live/u.s.-solar-market-insight-2016