2016年2月
Date: March 25, 2016
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【政策・規制】

  • 米国最高裁判所が、クリーン電力計画(CPP)の執行を延期する命令を下したが、これは発電所から排出される温暖化ガスを削減するというオバマ大統領が掲げた目標への妨げとなりうる。CPPに対する法的異議申し立てでは、米環境保護局(EPA)には発電所の排出に関する規制を行う権限がなく、各州にその権限が委ねられている、と主張されていた。今回最高裁は、下級裁判所が本件に関して結論を下すまではEPAが本規制を執行できない旨の決定を5対4の結果により下した。CPPでは、2030年までに温暖化ガスを2005年比で32%削減するため、石炭の使用を削減することが義務づけられており、再生可能エネルギーと天然ガスが推進されるよう計画されている。

http://www.bloomberg.com/politics/articles/2016-02-09/obama-s-clean-power-plan-put-on-hold-by-u-s-supreme-court

 

【スマートグリッド】

  • 米国国家規格協会(ANSI: The American National Standards Institute)と米商務省の国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)は、「スマートシティアーキテクチャー向けのフレームワーク」を構築することを目的として、複数のパートナーとともに国際的なワーキンググループを創設したことを発表した。IoT技術によってスマートシティの開発が急速に進んでいるが、共通の規格が十分に整備されいないために相互運用性が妨げられている。本ワーキンググループは、様々な関係者による取り組みを集結させ、明確なアーキテクチャへの同意が得られることを期待している。第一歩となるキックオフワークショップは3月末にメリーランド州のNIST所内で開催される予定であり、続く第2回ワークショップは4月にイタリアのローマで開催される予定となっている。

https://pages.nist.gov/smartcitiesarchitecture/

 

  • 三井物産は、Sunverge Energy社の株式を取得することを発表した。Sunverge Energy社は、カリフォルニアを拠点とし、分散電源リソース(DER: Distributed Energy Resource)のアグリゲーションを行うためのソフトウェアを開発している。ルーフトップソーラーやエネルギー貯蔵システム、電気自動車等のリソースから状況変化に応じたシグナルが送信されることにより、グリッド資産として利用することや、電力信頼性を維持するために活用することが可能となる。このような技術をアグリゲーションすることにより、三井物産はリアルタイムの均衡・給電に対応できる仮想発電所(virtual power plant)のビジネルモデルを構築したいと考えている。

https://www.mitsui.com/jp/en/release/2016/1218542_8910.html

 

【エネルギー貯蔵】

  • SolarCity社は、ハワイ州のカウアイ島電力協働組合(KIUC: Kaua’I Island Utility Cooperative)向けに計画された太陽光発電プロジェクトにおいて、Tesla社のバッテリーを使用することを発表した。発電所規模の負荷制御可能な太陽光発電システムが導入されるのは、おそらく本プロジェクトが初めてであるが、今回採用されたTesla社の リチウムイオン電池システムPowerpackは、容量にして52MWh分設置されることとなる。このエネルギー貯蔵システムは、需要がピークとなる時間帯の午後5時から午後10時の間にエネルギーを供給するために利用される。本プロジェクトでは20年間の契約が締結されており、その契約ではKIUCはSolarCityに対して1kWhあたり5セントを支払うことと取り決められている。建設は4月に予定されており、本年末までに商業的な稼働が開始される見込みである。

http://www.smartgridobserver.com/n2-16-16-SolarCity.htm

 

【再生可能エネルギー】

  • 昨年12月に採用され論争の的となっている政策を、ネバダ州公共事業委員会(The Public Utilities Commission of Nevada)が全会一致で支持した。この政策は、ルーフトップソーラーを所有する消費者向けの電気料金を、12年間にわたって新しい料金に移行するという内容である。当該期間中において固定料金が$12.75から$38.51に引き上げられ、また、ネットメータリングの消費者に支払われる対価が、これまでの小売レートから卸売レートに変わることとなる。最も意見が対立するポイントの一つとなっているのは、17,000の既存ソーラー所有者に対して、以前のプログラムとレートを適用することを同委員会が認めなかった点である。同委員会はその理由について、年間$16Mものコストが転嫁されている点を挙げている。最終結果を受けて、太陽光発電業者のSolarCity社とSunrun社は同州から撤退することを表明した。

http://www.utilitydive.com/news/nevada-regulators-deny-grandfathering-provision-for-existing-rooftop-sola/413980/

 

  • GTM Research社と米太陽エネルギー産業協会(SEIA: Solar Energy Industry Association)の新しい報告書によると、米国では2015年において7,286MW分の太陽光発電が設置された。太陽光発電は新しく加わった発電容量の5%を占めており、その新規設置容量ははじめて天然ガスの新規設置容量を上回った。太陽光発電の設置量がトップのカリフォルニア州の後に、ノースカロライナ州、ネバダ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州とトップ5が続いた。本レポートのその他のハイライトは以下の通り。
    • 家庭部門の太陽光発電は、新規設置容量が初めて2GWを上回り、66%の成長率であった。現在、米国の太陽光発電市場全体の29%を占めている。
    • 発電所部門(utility sector)の太陽光発電設置容量は全体の半分以上に及び、昨年と比較し6%の成長率であった。
    • 米国の太陽光発電の累計設置容量は25GWであり、2010年の2GWから急激に増加している。

「U.S. Solar Market Insight 2015 Year in Review」

http://www.greentechmedia.com/articles/read/us-solar-market-sets-new-record-installing-7.3-gw-of-solar-pv-in-2015

 

  • GTM Research社のレポートによると、家庭部門の太陽光発電システムが米20州においてグリッドパリティ(再生可能エネルギーによる発電コストがグリッドから購入するコストと同等またはそれより安価になる点)に達しており、また、2020年までには合計で42州がグリッドパリティに達することが判明した。本調査においては、従来の分析と比較してより正確な情報を提供すべく、電気料金構造やネットメータリングに関する規制、インセンティブが考慮された。主な結果は以下の通り。
    • 太陽光発電を所有する消費者が最も多いのは、カリフォルニア州、マサチューセッツ州、そしてハワイ州であり、これらの地域では初年度において電気料金が平均20-40%削減された。
    • 太陽光発電のグリッドパリティは、料金の改定やネットメータリング制度の変更に非常に影響を受けやすい。もし主要電力会社が月額$50の固定料金を設定した場合、それでもなおグリッドパリティを維持できるのはたったの2州であることが本調査で示された。GTM社は、短期的には、固定料金が太陽光発電経済にとって最も大きなリスクであるとみている。
    • 将来、ネットメータリングと電気料金の変更になることを想定すると、顧客にとってのルーフトップソーラーの価値は、エネルギー貯蔵システムとの組み合わせに依存すると思われる。

U.S. Residential Solar Economic Outlook: Grid Parity, Rate Design and Net Metering Risk

http://www.greentechmedia.com/articles/read/GTM-Research-20-US-States-at-Grid-Parity-for-Residential-Solar

 

 

【カンファレンス、ワークショップなど】

  1. California’s Distributed Energy Future 2016
  2. Connecting the Dots
    • 4月19日、Stanford大学
    • Stanford大学の「TomKat Center for Sustainable Energy」が主宰
    • 毎年Earth Dayを祝して、スタンフォード大学の様々な分野の専門家が集い、食料やエネルギー、水資源に関する需要と使用の関係、そしてそれらが気候に与える影響について議論が交わされる。
    • https://tomkat.stanford.edu/ctd
  3. Solar Summit 2016
  4. Silicon Valley Energy Summit 2016
    • 6月3日、Stanford大学、 Precourt Energy Efficiency Center
    • 本イベントでは、持続可能エネルギーに関心を持つ参加者が集い、業界の重要トピックについて議論を交わす。参加者は、シリコンバレーのスタートアップ、投資家、政策立案者、研究者、他のエネルギー関連の主要利害関係者など。
    • http://peec.stanford.edu/events/2015/sves/
  5. Grid Edge World Forum 2016
  6. Intersolar North America
    • 7月11日〜14日、サンフランシスコ
    • 年に一度の本イベントは、全米で最も大きい太陽光発電関連イベントの一つである。
    • 展示会は12-14日、カンファレンスは11-13日の間開催される
    • https://www.intersolar.us/en/home.html
  7. EV Roadmap 9
    • 7月20日〜21日、オレゴン
    • 年に一度の本イベントには、トップの電気自動車の利害関係者が集い、設置関連のアップデートや注目トレンド、成功事例などについて議論が交わされる。
    • http://evroadmapconference.com/