2015年7月
Date: August 11, 2015
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【スマートグリッド】

    • カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)は分散電力リソース提供者(DER: Distributed Energy Resource)がISOの卸売市場に参加することを許可する提案を受け入れた。現在のルールでは市場に参加するためには最低500kWのリソースを保有していなければならない。この新しいフレームワークでは、蓄電、屋根上ソーラー、電気自動車などのリソースを集めて電力網サービスを提供することができるようになる。このような試みは米国で初めて。今後年内に料金の詳細などが記載されたタリフが連邦エネルギー規制委員会に提出される予定。このニュースの詳細は以下参照。http://www.caiso.com/Documents/ISOBoardApprovesGatewayToTheDistributedEnergyFuture.pdf

 

  • Pacific Northwest Smart Grid 実証プロジェクトからのレポートでは2009年の米国再生再投資法(ARRA)を通じ米エネルギー省によって資金提供された1億7900万ドルをかけ5年間にわたって行われたプロジェクトの詳細を報告している。55の技術についてどのくらいエネルギー使用量とコストの削減、信頼性の向上ができるかについて検証した。

 

 

 

  • 5MW/1.25MWhの電池はオレゴン州ポートランドの電力会社であるPortland General Electricで毎年最大14万6千ドルの経費を削減できることがわかった。
  • モンタナ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州で事業を行う電力会社のNorth Western Energyは故障検出、隔離、修復システムを導入したことにより、停電の時間が大幅に縮小されたと発表。2013年にモンタナ州ヘレナで起こった停電では故障検知システムが導入された電力フィーダーラインでの停電が51秒間だったのに対し、それ以外の電力ラインでの停電は119分にも及んだとのこと。
  • ワシントン州、アイダホ州、オレゴン州で事業を行う電力会社のAvistaは故障検出、隔離、修復システムとその他の信頼性強化システムを導入したことで年間平均で停電の回数が17%減少、停電の長さも12%減少し、2013年8月から2014年12月の間に合計353,336分間の停電を回避できたとのこと。

 

 

同レポートでは以下のような様々な教訓が得られた。

  • スマートグリッドデータの質を高く保ち、データを生成する機器が適切に稼動するためにはより良いツールが必要である。
  • スマートグリッド技術は一体となって作動できるようにデザインされるべきで、標準化もさらに進める必要がある。
  • スマートグリッドの導入を成功させるためにはスマートグリッド技術とその市場が成熟し安定する必要がある。
  • 唯一絶対のアプローチがあるわけではないが、スマートグリッドの導入を成功させるためには一般市民の参画が重要である。

 

Pacific Northwest Smart Grid 実証プロジェクトはワシントン州、オレゴン州、アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州の5つの州にある11の電力会社、Bonville Power Administration、大学、テクノロジー起業が参加した全米で最も大規模なプロジェクトであった。レポートの詳細は以下参照。https://www.smartgrid.gov/document/Pacific_Northwest_Smart_Grid_Technology_Performance.html

 

 

【エネルギー貯蔵】

  • Mercom Capital Groupのレポートのによると2015年第2四半期エネルギー貯蔵関連企業に投資されたベンチャーキャピタル資金の合計は1億2600万ドルだったとのこと。第1四半期の6900万ドルの2倍近くを集める結果となった。ディール数は第2四半期が13件に対し、第1四半期は7件であった。投資案件のトップ5はバナジウムレドックスフロー電池のメーカーであるVinox Energy(5810万ドル)、カーボンナノチューブのサプライヤーであるCnano(1500万ドル)、顧客サイドストレージ企業のStem(1200万ドル)、ウルトラキャパシタメーカーのSkeleton Technologies(1070万ドル)、Adbanced Microgrid Solution(880万ドル)であった。詳細は以下参照。http://storage.pv-tech.org/news/mercom-vc-funding-for-batteries-and-energy-storage-almost-doubled-in-q2

 

【電気自動車】

  • カリフォルニアエネルギー委員会(CEC)はAlternative and Renewable Fuel and Vehicle Technology Program (ARFVTP)の元、カリフォルニアを南北に走る主要道路沿いに急速充電器を設置するため最大1000万ドルの資金提供を行うとして公募を開始。Interstate 5、State Route 99、Highway101の各高速道路に高速充電器を設置する計画である。オレゴン州から続くWest Coast Electric Highwayにカリフォルニア州部分が接続される形となり、米国北西部太平洋岸の地域からメキシコのBaja Californiaまで電気自動車で行くことが可能になる。詳細は以下参照。http://www.energy.ca.gov/contracts/transportation.html#GFO-15-601

 

【買収、株式上場、市場関連】

  • SunEdisonは住宅用ソーラー設置企業で全米第2位の規模を持つVivint Solarを22億ドルで買収する計画であることを発表。SunEdisonの世界で最大規模のソーラー事業者になるという計画を後押しする形となる。SunEdisonは4000人の従業員と523MWの屋根上ソーラーを獲得することになり、それらは同社のYeield CoであるTerraFormに移転される。プレスリリースは以下参照http://investors.sunedison.com/phoenix.zhtml?c=106680&p=irol-newsArticle&ID=2068965

 

【イノベーションと起業家精神】

  • Cleatntech Groupは四半期ごとのクローンテックセクターのイノベーション動向を調査するClean Energy Patent Growth Indexレポートを発表。2015年第1四半期に米国特許商標庁が承認したクリーンテックの特許数は851であった。レポートの主だった点は以下。
  • 最も特許数が多かったのはソーラー関連で302件、ついで燃料電池関連の220件となった。
  • Toyotaが37件で最も承認された特許の数が多かった企業であった。燃料電池関連で26件、ハイブリッド/電気自動車関連で8件、ソーラー関連で数件とのこと。General Motorsが承認数第2位で合計28件、その後Samsungの24件、Hondaの23件と続いた。
  • 海外の国々と各州を比較したランキングでは日本が最も承認された特許の数が多く185件で、それに次いでカリフォルニアの86件、韓国の84件、ドイツの73件となった。
  • 2015年代1四半期に承認された851件の特許の中で328件が米国内の企業によって申請されたもの、523件が米国外の企業によって申請されたものであった。

レポートの詳細は以下参照。http://cepgi.typepad.com/files/cepgi-1st-quarter-2015.pdf

 

【再生可能エネルギー】

  • GTM ResearchのS. Residential Solar Financing 2015-2020によると、2014年に新たに設置された太陽光発電1.2GW分のうち72%がリースや電力購入契約などの第三者オーナーシップ (TPO) によるものであったとのこと。また56%の住宅用ソーラー融資は次の3社によって提供されている。Solar Cityが34%、Vivint Solarが12%、Sunrunが10%。GTM ResearchはTPOよりも自己所有型のソーラーに人気を集まり始めていると記述している。自己所有ケースの比率は2020年にはTPOよりも大きくなり、住宅用ソーラー市場5.2GWのうち54%を占めるようになると予測されている。レポートの詳細は以下参照。http://www.greentechmedia.com/articles/read/72-of-us-residential-solar-installed-in-2014-was-third-party-owned
  • 米国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM: U.S. Department of the Interior and Bureau of Ocean Energy Management)は記念すべき米国で初めての商業用オフショア風力発電ファームの建築を開始。タービン5機、30MWの風力発電ファームはロードアイランド沖にDeepwater Windによって建設されており、海面から589フィートという世界でも最も高いものの一つとなる。2016年には運転を開始する予定で電力購入契約によりロードアイランドの電力会社であるNational Gridに電力を販売する予定。詳細は以下参照。http://www.doi.gov/news/pressreleases/secretary-jewell-and-director-hopper-laud-construction-of-nations-first-offshore-wind-farm.cfm

【カンファレンス、ワークショップなど】

 

  • CalCharge とローレンスリバモア国立研究所によるオープンハウスとツアー:8月25日(カリフォルニア州リバモア)参加者は研究所の施設、リソース、エネルギー貯蔵に関する研究などについて学ぶことができる。世界最大のレーザーであるNational Ignition Facilityのツアーも含まれている。https://ti.to/calcharge/llnl-open-house

 

  • Energy Storage North America:10月13日-10月15日(カリフォルニア州サンディエゴ)分散型エネルギー貯蔵、注目すべき市場、電力会社の3つのテーマでカンファレンスを開催。http://www.esnaexpo.com/#

 

 

  • CAISO annual Stakeholder Symposium:10月22日-10月23日(カリフォルニア州サクラメント)気候の変化への対応、信頼性が高く効率の良い電力網の推進、新しい技術など、変わりつつあるエネルギー景観の中での様々な事業機会について議論する。http://www.caiso.com/informed/Pages/MeetingsEvents/PublicForums/Default.aspx