2015年11月
Date: January 21, 2016
|

 スマートグリッド

  • 太陽光発電協会(Solar Electric Power Association)と米国電力研究所(EPRI:Electric Power Research Institute)が発表した報告書では、広範囲でのルーフトップソーラーの浸透を推進するために電力会社が設置するスマートインバータに関する調査結果が示されている。Hawaiian Electric Company (HECO)社、Arizona Public Service (APS)社、Pacific Gas & Electric社、Salt River プロジェクトの4つの個別案件が詳細に記述されており、主要結果は以下の4項目である。
  • UL1741、IEEE1547、カリフォルニアのRule21などのスマートインバータに関する標準規格が技術革新のスピードに追いついていない。
  • スマートインバータの高機能を比較的低コストで備え付けることができる。周波数や電圧変動時の運転継続機能、ランプ率(ramp rate)制御、力率を一定にする機能(fixed power factor function)といったインバータの自律化に関する最新機能が4つ全てのプロジェクトで活用されている。
  • 導入費用の高さから発電所の通信ネットワークには限りがあり、スマートインバータの有益な機能の活用が遅延している。
  • スマートインバータの本格展開には十分な時間が必要である。給電線が最も混雑しているハワイ州でも、ハワイ電力公社は効果的な設置を保証するために、利害関係者との間の必要な手順を踏んで導入に取り組んでいると報告書に記載されている。

さらに詳しい情報については以下参照:https://www.solarelectricpower.org/media/416463/SEPA-Smart-Inverter-Executive-Summary.pdf

 

  • GTM Research社の報告書「グリッドエッジにおける顧客分析-市場概観、予測、主要トレンド-(Customer Analytics at the Grid Edge: Market Landscape, Forecast and Key Trend)」によると、米国における電力会社向けの分析用ソフトウェア市場は2018年までに$1Bの規模へと成長し、さらに2023年までに$2Bへと拡大することが見込まれている。電力会社は、統合されたリソースを含む計画プロセスを通知するための最新分析ソリューションに注目しているが、主な市場の成長要因はスマートメーターやスマートサーモスタットの浸透によるものと予想される。当報告書によると、電力会社は小規模のトライアルや実証試験から大規模な設置に移行している段階にあるとのことである。

http://www.greentechmedia.com/articles/read/us-market-for-utility-customer-analytics-software-will-surpass-1-billion-by

 

 

  • Portland General Electric 社は、CAISOの電力インバランス市場(EIM : energy imbalance market)に参加するための協定を正式化した。当該市場はPacifiCorp社とのパートナーシップにより2014年に開始されたものであり、再生可能エネルギーのバランスを整え、また発電コストを下げるための地域リアルタイム市場である。NV Energy社が今月参加し、Arizona Public Service社とPuget Sound Energy社も2016年に参加を予定するなど、継続的に参加者が増加している。CAISOのプレジデントでありCEOでもあるSteve Berberich氏は、「EIMは初年度から好調であり、大幅なコスト削減を実現している。新たな参加者により、さらなる発電費用削減と再生可能エネルギーの効率化が期待できる」と述べている。

http://www.caiso.com/Documents/PortlandGeneralElectricFormalizesAgreementToJoinEIM.pdf

 

 

電気自動車

  • NRG EVgo社とカリフォルニア州立大学サンディエゴ校は、最先端のEV充電サービスに関して提携するための覚書を締結したことを発表した。覚書には2つのプロジェクトについての枠組みが設定されている。一つは充電サービス提供者が太陽光発電や蓄電池、制御システムを用いてどのようにデマンドチャージを回避することができるかに関する調査である。もう一つは、日産車、ホンダ車の計9台を用いて、V2G(Vehicle-to-Grid:自動車から電力網への電力供給)用途に関する調査を実施する。2つのプロジェクトはまた、同大学の必要電力の85%を賄っているマイクログリッドにもリソースを供給する。
  • プレスリリースは以下のリンク参照:http://ucsdnews.ucsd.edu/pressrelease/uc_san_diego_and_nrg_evgo_partner_to_support_innovations_in_electric_vehicl

 

 

再生可能エネルギー

  • ノースカロライナエネルギー技術センター(NC Clean Energy Technology Center)の報告書「2015年第3四半期 50州でのソーラー概況(Q3 2015 50 States of Solar)」では、分散太陽光発電に関する州レベルの政策に焦点が当てられている。当報告書の主要結果は以下の通りである。
  • ネットメータリング制度の変更が全国で行われている。19の州では、ルーフトップソーラーを有する顧客向けのネットメータリング制度についてすでに改正を行ったかもしくは変更を計画している。
  • ニューヨーク州とハワイ州では、電力会社による申請によりコミュニティソーラープログラムが拡大している。カリフォルニア州では、Green Tariff Shared Renewablesプログラムの構築が進行している。
  • 固定料金増大が18の州に位置する26の電力会社で求められている。この固定料金増大は、ルーフトップソーラーの価値を損ねるとして議論が行われている。
  • 12の州の規制当局は、分散発電を行っている顧客への追加料金を認可することを検討している。

報告書全文は以下のリンク参照:https://nccleantech.ncsu.edu/wp-content/uploads/50-States-of-Solar-Q3-FINAL_25.pdf

 

 

  • カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は、報告書「再生可能エネルギー目標33%からの更なる躍進に向けて- 将来の低炭素社会を実現するためのグリッド統合政策 -(Beyond 33% Renewables: Grid Integration Policy for a Low-Carbon Future)」を公表した。同報告書では、RPS(Renewable Portforio Standard)目標を2030年までに33%から50%に引き上げるための必要なアクションについて詳細が示されている。課題としてCPUCが懸念する「ダックカーブ」(発電超過と夕方の大規模ランピングを示す図)の問題が示されている。また、現在CAISOでは補償されていないアンシラリーサービスに対する大幅な需要の問題がある。このアンシラリーサービスには、現在検討されている電圧を維持するための無効電力に関する市場の枠組みや、周波数応答、フレキシブルなランピングサービス、などが含まれている。報告書によると、カリフォルニア州は、現状のままで信頼性に大きな影響を及ぼすことなくRPS33%を達成することができると見られる。しかし、グリッドの変革なしには、州知事が新たに示した温暖化ガス目標を達成すること、そしてRPS50%を達成するためのコスト効率的な再生可能エネルギーを統合することは難しいと予想されている。分散リソース(時間別課金(Time Of Use)、PEV充電、デマンドレスポンスなど)の柔軟性強化など長期的なアクションが求められる。

報告書全文は以下のリンク参照:http://www.cpuc.ca.gov/NR/rdonlyres/8F428686-2FB5-4F3D-85B3-0475694E4718/0/Beyond33PercentRenewables_GridIntegrationPolicy_Final.pdf

 

 

イベント情報

  • 12/6-10 Power Generation Week 2015, ラスベガス

5日間にわたり、発電産業全般を取り扱うイベント。POWER-GEN International、Renewable Energy World Conference & Expo North America、 NUCLEAR POWER International、COAL-GEN、GenForumの5つのカンファレンスで構成され、プレワークショップやテクニカルツアー、70以上のセッション、パネルディスカッション、3日間の展示会、複数のネットワーキングイベントが開催される。

http://www.powergenerationweek.com/index.html?cmpid=pgi

 

  • 12/8-9 U.S. Energy Storage Summit, サンフランシスコ(GTM Research主催)

エネルギー貯蔵システム分野の市場及び技術のトレンドについて議論が行われる。http://www.greentechmedia.com/events/live/u.s.-energy-storage-summit

 

  • 1/24-26, VerdeXchange, ロサンゼルス

カリフォルニア州のエネルギー環境政策関係者や業界のリーダーが集い、クリーンエネルギー市場を推進するためのトレンドやアクションについて議論する。南カリフォルニアの大手電力会社2社やLADWPを中心としてエネルギー・水関連業界の経営層が多く集まる会議。

https://www.verdexchange.org/

 

  • 1/25-27, 第9回Storage Week, サンディエゴ

エネルギー貯蔵関連で先頭に立つ政策担当者やシニアエグゼクティブが集い、国内外市場の新しい可能性、エネルギー貯蔵やプロジェクト評価方法、エネルギー貯蔵関連プロジェクト・チームの最適化方法について議論を行う。

http://www.infocastinc.com/events/storage-week/

 

  • 2/9-11, Distribu TECH, オーランド

送電網に関する主要なカンファレンスの一つ。当イベントでは、著名なスピーカーが自動化や制御システム、エネルギー効率化、デマンドレスポンス、再生可能エネルギー統合、高機能メータリング、送電網システム運用と信頼性、電源供給装置、通信技術、水道事業関連技術、等について議論を行う。

http://www.distributech.com/event-info.html/