2014年10月
Date: November 13, 2014
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【スマートグリッド】

  • カリフォルニアの三大株式上場電力会社はそれぞれのスマートグリッド展開計画の年間報告を発表。カリフォルニア公益事業委員会に電力網の近代化の推進を課している上院法案17に基づき、各社の状況の詳細について言及している。
  • PG&Eでは停電の数が過去最低を記録。停電の時間は40%削減され、停電件数も2006年と比較して27%低下している。これらは配電網600箇所近くに設置された先進自動化装置やより広いエリアの視覚化を提供するシンクロフェイザーや全世帯に配置されたスマートメーターなどのスマートグリッド技術によるものである。これらの技術の導入によって、顧客も自身のエネルギー使用により強い関心を抱くようになっており、同社顧客が時間ごとのエネルギー使用量を確認することができるポータルサイト”My Energy”は250万人以上が利用している。13万1000人以上の顧客が全米で最大規模の住宅顧客用ピーク価格プログラムである”Smart Rate”に参加している。このプログラムで2013年に合計1,500MWh以上の節電がされた。
  • Southern California Edison (SCE) は顧客が過去のエネルギー利用データを確認することが出来るGreen Buttonプログラムの拡大など、顧客エンパワメントに力を入れている。SCEは顧客が時間帯別料金を利用できるようリアルタイムの電力使用量を測ることが出来るHAN (Home Area Network) の展開を計画している。また、停電の復旧にかかる時間を短縮するべく、系統の異常を探知すると自動的に是正しようとする機能を持った配電自動化技術などを導入している。さらにはサービスの信頼性を高めるための蓄電の役割を見直しており、分散型蓄電を導入するパイロットプログラムの建設場所を決定した。
  • San Diego Gas & Electric (SDG&E) はこれまでスマートグリッド関連で1億1450万ドルの投資を行っており、それによってこれまでに5400万ドルに相当する経済的利益を上げている。サービス地域内では分散電源とプラグイン電気自動車の数が伸びている。分散電源システムにおいては、14,000近くが39,000の住宅・商業用顧客のシステムに接続されている。また9,000台以上の電気自動車が電力網に繋がれている状態でその内44%の顧客がオフピーク充電を推進する時間帯別料金システムを利用している。その他SDG&Eでは商業用にプログラムと通信が出来るサーモスタット設置するプログラムを開始しており、これによって既に2,400台のデマンドレスポンスに対応可能な機器が設置済みである。

 
 各社からのレポートの詳細は以下参照。

PG&E: http://docs.cpuc.ca.gov/PublishedDocs/Efile/G000/M111/K693/111693634.PDF

SDG&E: http://docs.cpuc.ca.gov/PublishedDocs/Efile/G000/M113/K144/113144113.PDF

SCE: http://docs.cpuc.ca.gov/PublishedDocs/Efile/G000/M111/K693/111693632.PDF

     

  • アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) はNIST Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards Release 3.0の最終版を発表。最新版は2010年、2012年に続く第3版で、電力網の近代化に関する最新状況をまとめている。
  • 今回のレポートでは系統運用機関がシステムの状態をモニターするのに広く使われるようになったシンクロフェイザーなどのフェーザ情報計測装置の展開について言及している。
  • 相互運用性を支援する標準がリストに加えられ、全体で74の標準が上げられている。2012年に発表された第2版から新しく追加された標準は7つ。
  • NISTやSmart Grid Interoperability PanelのSmart Grid Cybersecurity Committeeによる電力網のサイバーセキュリティーに関するガイドラインについてもその展開と動きについてまとめられている。
  • スマートグリッド機器の相互運用性を保証するためのテストや証明書などについての新しいフレームワークについても言及されている。

レポートの詳細は以下参照。http://www.nist.gov/smartgrid/upload/NIST-SP-1108r3.pdf

 

【電力市場】

  • カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)とPacifiCorpは11月1日から米国西部で始めてのエネルギー・インバランス市場(EIM: Energy Imbalance Market)の運営を開始した。EIMによってCAISOとPacifiCorpの両系統運用機関はリアルタイム市場を通してより広いポートフォリオの中から電力調達の指令を出すことが出来るようになる。地理的により広いエリアからの電力調達を可能にするEIMによって、システムの信頼性を向上し、コストを低下させ、より効率よく再生可能エネルギー源を導入することが可能になる。このEIMはカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ユタ州、アイダホ州、ワイオミング州をカバーする。次の参加予定者はネバダ州のNV Energyで、2015年10月から市場に参加する許可を得ている。http://www.caiso.com/Documents/CaliforniaISO_PacifiCorpLaunchFirstWesternEnergyMarket.pdf

 
 

【エネルギー貯蔵】

  • カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)はカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)とカリフォルニア公益事業委員会(CPUC)と共同作成されたEnergy Storage Roadmapの草稿を発表。このロードマップでは電力網へのエネルギー貯蔵の展開を推進するために、現在の課題とその解決に向けての対策案についてまとめている。関係者による話し合いの中で、以下3つのカテゴリーが課題としてあげられている。1)収入を得られる機会が不確定である、あるいは十分でない。2)設置・展開と系統接続にかかるコストが高額である。3)規制面での条件やプロセス、タイムラインがはっきりしていない。エネルギー貯蔵がCPUCの資源適正 (Resource Adequacy) の仕組みで設置するか、CAISOの卸売市場に参加するかの場合にエネルギー貯蔵の特性をどのやって適切に測ることが出来るかの答えを出すことが、最も大きな課題一つとして挙げられている。今回の草稿は今後関係者からのフィードバックを受けた後、12月に最終版として発表される。草稿の詳細は以下参照。http://www.caiso.com/Documents/DraftEnergyStorageRoadmapForCalifornia.pdf
  • 京セラとStemは商業用顧客のための太陽光発電と蓄電のパッケージシステムにおいて提携すると発表。このシステムではデマンドチャージを削減し、間欠性の高い太陽光発電を安定させることが出来る。Stemの蓄電システムは30日後までのエネルギー利用を予測し、電力料金が低いときに充電をすることで、年間20%程度電気料金を削減できるとのこと。このシステムはカリフォルニア州、ハワイ州、ニューヨーク州で販売される。詳細は以下参照。http://americas.kyocera.com/news/news_detail.cfm?key=2321

 
【電気自動車】

  • NEDOとカリフォルニア経済促進知事室 (Go-Biz) は州内での電気自動車実証プロジェクトの実現に向け、フィジビリティ調査を行うという基本合意書を締結。高速道路沿いに高速充電器を配置し、電気自動車の所有者を充電器に案内するアプリケーションを利用することで走行距離に対する不安 (Range Anxiety) の軽減に貢献できるかの分析を行う。この同意書は今年9月のカリフォルニア州と日本の間で締結された協力覚書の元に実現した初めてのイニシアチブである。詳細は以下参照。http://hosted-p0.vresp.com/1690473/9ac9f0f75a/ARCHIVE

 
【カンファレンス、ワークショップなど】

  • Fuel Cell Seminar and Energy Exposition:11月10日-11月13日(カリフォルニア州ロサンゼルス) 定置用と可搬型の水素燃料電池の利用を促進するための政府・学会による動きについて議論する。http://www.fuelcellseminar.com/