2014年 5月・6月
Date: July 3, 2014
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【スマートグリッド】

  • アメリカ国立技術標準研究所(National Institute of Standards and Technology)は過去2年間におけるスマートグリッド標準策定の成果をまとめたNIST Framework and Roadmap for Smart Grid Interoperability Standards, Release 3.0の報告書案を発表。今回のレポートではワイヤレス通信が可能な電力メーターの普及拡大などのスマートグリッドインフラストラクチャの展開、グリーンボタンイニシアチブを通して消費者が自身の電力消費量の確認が可能になったこと、リモートセンシングを使ってリアルタイムの送配電状況の確認が可能になったこと、電気自動車の充電プロトコルなどのスマートグリッド関連の進捗状況などについて言及している。この報告書案の詳細は以下参照。http://www.nist.gov/smartgrid/upload/Draft-NIST-SG-Framework-3.pdf

 

  • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC) は州の三大株式上場電力会社によるスマートグリッド展開の状況を報告するAnnual Smart Grid Reportを発表。主だった点は以下。
    • スマートメーターの設置はほぼ完了。Southern California Edisonで100%、San Diego Gas and Electricで99.8%、Pacific Gas & Electricで93%の普及率となっている。
    • 電力会社各社はスマートメーターと家庭内ディスプレイの通信を可能にするhome area networks (HAN) を導入。HANプログラムはこれまで限定的な展開となっているが、今後大規模なマーケティングを行っていく予定。
    • CPUCは各電力会社の先進的インバーター機能に関する調査権限の承認を検討中。
    • CPUCは2014年電力料金デザイン、AB327、蓄電の統合、電気自動車、デマンドレスポンスについて活動を行う予定。

このレポートでは各電力会社のスマートグリッドプログラムの費用対効果予測やその他のスマートグリッド関連事項についての情報も掲載している。レポートの詳細は以下参照。: http://www.cpuc.ca.gov/NR/rdonlyres/2F5149C6-885A-4211-8CBA-A4F88F02CEA7/0/SmartGridAnnualReport2013final.pdf

 

【電気自動車】

  • 米国の8つの州は2025年までに合わせて330万台の電気自動車を普及させるべく、ゼロエミッション車アクションプランを発表。この中でマーケティングやアウトリーチの強化、消費者へのインセンティブの提供、職場における充電の奨励や充電器設置の障害を取り除くことなど11のアクションアイテムを明確化。このアクションプランは2013年10月にカリフォルニア州、コネチカット州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バージニア州の8州の州知事によって交わされた了解覚書に基づくもの。アクションプランの詳細は以下参照。http://www.nescaum.org/topics/zero-emission-vehicles
  • 国立再生可能エネルギー研究所(NREL)とカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)は州知事目標である2020年までに電気自動車100万台の普及を達成するために必要なインフラについて分析したレポートを発表。その中で必要な充電器の数を比較する二つのシナリオを提供している。家庭重視モデルにおいてはほとんどの電気自動車ドライバーが自宅での充電を行うことを前提とし、公共アクセス重視モデルではほとんどのドライバーが職場あるいは公共の充電施設での充電を行うことを前提とする。公共アクセス重視モデルではレベル2及び高速充電器の著しい増加が見られる。このレポートでは2020年までに電気自動車100万台普及という目標ではあるが、そこまで到達するのはおそらく2023年から2024年にかけてであろうと言及している。レポートの詳細は以下参照。http://www.energy.ca.gov/2014publications/CEC-600-2014-003/CEC-600-2014-003.pdf
  • ToyotaはFirstElementと長期間にわたる水素ステーションの運営と維持に関するコストを支援するための提携を発表。FirstElementはカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)から19箇所の水素ステーションを州内に設置するために2750万ドルの資金提供を受けている。昨年議会を通過した議案AB8はCECに対し、水素ステーションが100箇所建設されるまで水素インフラのために毎年2000万ドルの資金提供を行うことを指示している。ToyotaとHondaの両社は2015年にカリフォルニア州で燃料電池車の販売開始を計画しており、Hyundaiは今月から同社の燃料電池車Tucsonのリースを月額$499で開始している。http://www.greentechmedia.com/articles/read/california-gives-fuel-cell-stations-a-bump-toyota-to-pitch-in
  • カリフォルニアエネルギー委員会(CEC) は2014年-2015年のAlternative and Renewable Fuel and Vehicle Technology Program(ARFVTプログラム)投資計画の最新版を発表。2007年に議案AB118によって設立されたこのプログラムは代替燃料者やそのインフラの開発・展開のために最大1億ドルを提供する。投資計画の主だった点は以下。
    • カリフォルニア州は州内でのバイオ燃料の生産のため予算として2000万ドルを確定。
    • 議案AB8が通過したことにより燃料電池車のための水素インフラのために2000万ドルを提供。ARFVTプログラムによって、コストにもよるがおおよそ40の水素ステーションが建設されることになる。
    • 電気自動車のためのインフラ予算は2倍以上の1500万ドルとなった。市場が拡大していることにあわせて増額が行われたとのこと。

詳細は以下参照。http://www.energy.ca.gov/2013publications/CEC-600-2013-003/CEC-600-2013-003-CMF.pdf

 

 

【エネルギー貯蔵】

  • 米エネルギー省とカリフォルニアエネルギー委員会は世界で始めてグリッドスケールの鉄-クロム系レドックスフロー電池をカリフォルニア州ターロックに設置。長時間持続が可能なエネルギー貯蔵システムはシリコンバレーのEnerVolt社によって設計・製造されたもの。このシステムは250kWの電池から1MWhのエネルギーを4時間提供でき、2軸式太陽追尾システムをを搭載した160kWのPVアレイとアーモンド園に併設されており、灌漑のために使われる。EnerVoltは鉄-クロム系レドックスフロー電池は安全で、原料が豊富であるために安価であると述べている。
    詳細は以下参照。
    http://www.energy.ca.gov/releases/2014_releases/2014-05-22_EnerVault.pdf

     

     

    【イノベーションと起業家精神】

    • クリーンテック業界における米国の年間特許数を追跡しているClean Energy Patent Growth Indexによると、2013年は過去最大の3175件を記録。自動車メーカーのGMが最多数で昨年第1位であったToyotaがそれに続く結果となった。太陽発電関連の特許が2002年から最多数を記録していた燃料電池関連特許を抜いて、最多となった。自動車メーカーが政府の設定している標準や顧客からの要求に対応し車両の効率を向上させる目的で、ハイブリッドや電気自動車関連の特許数が伸びていることは注目に値する。クリーンテック関連の特許数では第一位は米国、それに日本が続く結果となっている。米国の州別で見ると、カリフォルニア州が第1位、ミシガン州が第2位、第3位はニューヨーク州であった。Clean Energy Patent Growth Indexの詳細は以下参照。http://www.cepgi.com/2014/04/clean-energy-patent-growth-index-2012-year-in-review.html#more

     

     

    【政策と規制】

    • カリフォルニア大気資源局(CARB)はAB32スコーピングプランの最新版を承認。California Global Warming Solutions Act of 2006としても知られているAB32は温室効果ガスを2020年までに1990年のレベルまで下げること、長期的には2050年までに1990年レベルよりも80%低いところまで下げることを義務付けている。最新版では温室効果ガスの削減のために集中するべきエネルギー、交通、農業、水、廃棄物管理や森林の6つのセクターを明確にし、それぞれのエリアに関する推奨事項について言及している。
      • 様々なエネルギーリソース、発電技術や関連する燃料に関して炭素強度や大気への影響を明確にする。
      • 低炭素燃料標準を2010年の時点よりも強化し、15-20%の削減を目指す
      • ロサンゼルスサンフランシスコ間の高速鉄道の開発を支援する。
      • 2050年までとその中間時点における農業セクターの温室効果ガス排出削減目標を設定する。
      • 水資源保護プログラムの奨励と新しい基準能率の設定。
      • 埋立地への有機物廃棄を停止するプログラムを作り、既存及び新規の埋立地におけるメタンガス制御の向上を図る。

    スコーピングプランの詳細は以下参照。
    http://www.arb.ca.gov/cc/scopingplan/2013_update/first_update_climate_change_scoping_plan.pdf

    • カリフォルニア大気資源局(CARB)とカナダケベック州のMinistry of Sustainable Development, Environment and the Fight against Climate Change (MDDELCC)はキャップアンドトレードプログラムにおいて合同で試験オークションを計画していることを発表。この試験オークションは2014年11月に予定されている合同排出枠オークションの準備のために行われる。プレスリリースによると、この試験オークションでは参加者が最新版のオークションプラットフォームをテストし、今後の合同オークションのためのカナダ・米国通貨の両方を扱うなど新しい機能を試すことができる。CARBとMDDELCCは今回の試験オークションを同時にモニター・監督を行い、通信などに問題がないかどうかを確認する。試験オークション後、両者はその結果を評価・分析し、システム全体やオークションの手順などに問題がないかどうかを確認する。この試験オークションは8月の第1週に予定されている。詳細は以下参照。http://www.arb.ca.gov/newsrel/newsrelease.php?id=625

     

    【再生可能エネルギー】

     

     

    【カンファレンス、ワークショップなど】

    • Intersolar North America:7月8日-7月10日(サンフランシスコ)米国で最大のソーラー関連イベント。7日から9日にかけて会議が行われ、展示会は8日から10日まで。https://www.intersolar.us/en/intersolar.html

     

     

    • EV Roadmap Conference:7月24日-7月25日(オレゴン州ポートランド)米国内で最大級の電気自動車カンファレンス。業界の有識者が多数集まる予定。http://evroadmapconference.com/