2013年5月後半
Date: June 3, 2013
|

【スマートグリッド】

  • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)は州知事と州議会にCalifornia Smart Grid Reportを提出。この中で州内電力網近代化への取り組みの現状や今後のステップなどについて言及している。主だった点は以下。
    • CPUCは2012年プライバシーとセキュリティーに関して議論を進めてきた。プライバシーに関する規則では適用範囲がCommunity Choice Aggregation、電力サービス提供会社、ガス顧客などにも広げられた。また、CPUCは顧客のプライバシーを保護しつつ、スマートメーターからのデータを保存するためのエネルギーデータセンターの建設を考慮中。
    • CPUCは電力会社に対し、顧客がリアルタイムで自身のエネルギー使用について情報を得られるよう、Home Area Networkが使えるようにすることを命じた。
    • アメリカ再生再投資法からの資金で大規模なスマートメーターの導入プロジェクトが進んだ。電力会社による2012年のSmart Grid Deployment Status Reportによると、スマートグリッドプログラムによって、SDG&Eでは4,000万ドル、PG&Eでは2,890万ドルの利益が出ているとのこと。
    • 2013年にはスマートグリッド関連目標などについてさらに考察を続けること、引き続きグリーンボタンの活用を拡大していくこと、自動デマンドレスポンスの推進、ダイナミックプライシング、HAN関連の問題や電気自動車の導入拡大などに向けて活動を進めていく。

報告書の詳細は以下参照。http://www.cpuc.ca.gov/NR/rdonlyres/31148DF6-0783-4E83-8C39-3D0E46EFF91E/0/SmartGridAnnualReport2012Final.pdf

  • 三菱電機はスマートメーター事業拡大のため、Echelonとの提携を発表。三菱電機のメーターを使い、Echelonの通信部(Open Smart Grid Protocol)を組み込む。新しいスマートメーターはタイとインドネシアで製造され、世界的に販売される。http://www.mitsubishielectric.com/news/2013/pdf/0521.pdf
  • ニューヨーク独立系等運用機関(NYISO: New York Independent System Operator)は今年夏のピーク需要時にどのような対策をとるかについてのレポートを発表。レポートの中で、2000年代前半のデマンドレスポンスプログラム開始時からデマンドレスポンスリソースが着実に増えてきていることに言及している。NYISOでは下記のピーク需要を33,279MWと予測しており、1,500MW以上のデマンドレスポンスリソースが利用可能であるとしている。レポートの詳細は以下参照。http://www.nyiso.com/public/webdocs/media_room/publications_presentations/NYISO_Presentations/NYISO_Presentations/NYISO_2013_Summer_Outlook_052113.pdf

 

 

【蓄電】

  • PG&Eとカリフォルニアエネルギー委員会 (CEC) はサンノゼ市のHGST Inc.での4MWの蓄電パイロットプロジェクトを除幕式を行った。このYerba Buena Battery Energy Storage System Pilot Projectでは電力需要が低いときに充電し、需要が上がってくると電力網に電力を提供する。このシステムは需要と供給のバランスを保つこと、間欠性の高い再生可能エネルギーの導入拡大への対応や高品質の電力を安定して供給するために重要なサービスとなりうる。日本ガイシ製のNAS電池を利用し、S&C Electric Companyが制御システムを提供する。電力中央研究所 (EPRI) がプロジェクトのデータ分析を行い、その報告書は一般公開される。http://www.energy.ca.gov/releases/2013_releases/2013-05-23_PGE_battery_storage_ribbon-cutting.pdf

 

【電気自動車】

  • テスラモーターズは自社の高速充電機ネットワーク(Supercharger network)を大幅に拡大すると発表。同社のモデルSを20-30分間で充電できる高速充電器は無料で利用でき、今後6ヶ月で米国、カナダの主要大都市エリアをカバーする。完成すればこのネットワークの利用のみで、ロサンゼルスからニューヨークまで米国を横断したり、東海岸沿い、あるいは西海岸沿い縦断することが可能になる。また、テスラモーターズは120kWでの充電を可能にする新しい技術を開発中で、今年夏には利用可能になるとしている。http://www.teslamotors.com/about/press/releases/tesla-dramatically-expands-supercharger-network-delivering-convenient-free-long
  • 電気自動車用蓄電池の交換サービスを提供するBetter Place社がイスラエルで破綻申請を行った。同社はRenault社と提携し、電池交換ステーションの建設を行ってきたが、高額な建設費用が経営を圧迫していた。Better Placeは数ヶ月前に北米での展開を中止し、イスラエルとデンマークでの事業展開に集中すると発表していた。http://www.betterplace.com/the-company/press-room

 
【法規制関連】

  • カリフォルニア大気資源局(CARB)はキャップアンドトレードプログラムによる温室効果ガス排出枠オークションの第3回目を行った。今回のオークションでは2013年分と2016年分がオークションにかけられ、2013年分では1450万枠以上が14ドルで、2016年分では750万枠以上が10.71ドルで取引された。オークション結果の詳細は以下参照。http://www.arb.ca.gov/cc/capandtrade/auction/may-2013/results.pdf

 
【再生可能エネルギー】

  • カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)の理事会は、再生可能エネルギーによる発電をより多く取り入れることを可能にする市場デザインの変更を承認した。FERC命令764に対応する形ですべての発電源が15分おきにスケジュールできるようにする。スケジュールの間隔を細かくすることで、間欠性の高い再生可能エネルギー源にも有益な柔軟性を持たせることができるようになる。http://www.caiso.com/Documents/CaliforniaISOMarketEnhancementHelpsAdvanceGreenEnergy-GoldenState.pdf
  • Bloombergの記事によると、Panasonicはオレゴン州での太陽電池用ウェハーの製造を6月末で中止するとのこと。同社は昨年カリフォルニア州のウェハー工場を閉鎖している。今後太陽電池用ウェハーの製造は同社のマレーシア工場に統合され、オレゴン工場はシリコンインゴットの製造を引き続き行う。. http://www.bloomberg.com/news/2013-05-23/panasonic-to-end-solar-wafer-production-at-oregon-factory.html

 
【市場情報 企業買収、新規株式公開など】

  • 旭硝子はクパチーノに新しいオフィスをオープンし、シリコンバレーでのプレゼンスを高めている。Silicon Valley Business Journalによると、「新しいオフィスは旭硝子が新しい技術の探索や同社にとって有益な革新的技術の買収、あるいは同社との提携を望む企業との接点となるなど戦略的拠点として設立された。」とのこと。同社はグリーンビル関連マテリアル、太陽光発電技術、ファイバーオプティクス、バイオテクノロジーなどに焦点を当てる。この動きは近年日本企業でも増えてきている技術イノベーションを自社内のみに頼らず、外部からも取り入れるオープンイノベーションの流れを汲んでいる。http://www.bizjournals.com/sanjose/news/2013/05/24/AGC-Group-comes-to-cupertino.html

 
【カンファレンス、ワークショップなど】

  • The Sixth annual Beyond Lithium Ion conference:6月4日-6月6日 (コロラド州ボールダー) 蓄電技術開発の動向、電池に関する研究の進捗状況の議論、次世代技術の抱える問題や事業化の機会などについて http://www.beyondlithiumion.org/web/about.php
  • IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC) : 6月16日-6月21日 (フロリダ州タンパ) PV業界のトップサイエンティスト、エンジニアを迎えての1週間に及ぶ会議。http://www.ieee-pvsc.org/PVSC39/
  • The annual Silicon Valley Energy Summit:  6月28日 (スタンフォード大学) Precourt Energy Efficiency Center主催。最新技術動向、政府規制、エネルギー政策などについて。http://peec.stanford.edu/events/2013/sves/
  • The National Town Meeting on Demand Response and Smart Grid: 7月9日-7月11日(ワシントンDC)Association for Demand Response and Smart Grid (ADS)主催
  • Intersolar North America Conference: 7月8日-7月11日 (サンフランシスコ)太陽発電に関する技術、非常、蓄電、政策、ファイナンスなど多岐にわたるトピックをカバーする業界で最も大きいカンファレンスの一つ。7月9日から11日まで大規模な展示会も同時開催される。http://www.intersolar.us/en/intersolar.html
  • EV Roadmap 6: Drivers Take the Spotlight: 7月30-7月31日 (オレゴン州ポートランド) 電気自動車に関わるリーダーが集まり、EVドライバーに焦点を当てる。どのようによりよいEV体験を提供できるかやどのようにEVオーナーの期待にこたえられるようにするかなどについて取り上げる。http://evroadmap6.eventbrite.com/#

 

【お知らせ】

NEDO Silicon Valley事務所では来週月曜日6月10日にオープンイノベーションセミナーを行います。まだお席に若干の余裕がありますので、参加をご希望の際はお名前、会社名、ご連絡先を aya.iwasuji@nedosv.org までご連絡ください。

 

 

「日本企業におけるオープンイノベーションの可能性」

 

  1980年代、1990年代と世界のイノベーションをリードしてきた日本企業は、現在も強い技術力を維持している一方で、特に家電製品などの国際市場では遅れを取っている。これは過去10年から20年の間に世界で成長したオープンイノベーションの流れの進展、そして日本企業の多くがその流れにすばやく反応できなかったことが原因と思われる。NEDOシリコンバレー事務所では、昨年度オープンイノベーションの提唱者であるUCバークレーのChesbrough教授をモデレーターとして迎え、ベイエリアに拠点を置く日本企業から参加を募り、シリコンバレーという場所を活用しつつオープンイノベーションを実践し、国際競争力を維持していくためには何が必要か、勉強会を設定し議論を行ってきた。今回はその議論の結果を報告する。

 

日時 2013年6月10日(月)

16:30~ 受付開始       17:00~18:00 講演/Q&A     18:00~19:00 ネットワーキング

会場 Squire Sanders LLP

600 Hansen Way, Palo Alto, CA 94304

定員 40名(申し込み受付順)

スピーカー NEDO シリコンバレー事務所長 小野寺 修

参加費 無料

主催 NEDOシリコンバレー事務所

後援 北加日本商工会議所(JCCNC)