2013年4月後半
Date: May 7, 2013
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【スマートグリッド】

  • 米エネルギー省は2009年の米国再生再投資法 (ARRA) のスマートグリッド分野への資金提供がもたらした経済的影響に関して報告書を発表。Smart Grid Investment Grants (SGIG) とSmart Grid Demonstration Program (SGDP) は経済に刺激を与え、雇用を生み出し、電力網を近代化させるために行われた。報告書の主なポイントは以下。
    • ARRAではスマートグリッドプロジェクトの補助に29億6000万ドルを出資しており、その結果68億ドルの経済効果が生まれた。
    • この資金投資により、47,000の正社員ポジションを創出。
    • 100万ドルを投資するごとに、GDPが250-260万ドル増加している。これは政府によるほかの分野への投資と比較しても高い数値である。

報告書の詳細は以下参照。<ahref=”http://www.smartgrid.gov/sites/default/files/doc/files/Smart%20Grid%20Economic%20Impact%20Report.pdf”>http://www.smartgrid.gov/sites/default/files/doc/files/Smart%20Grid%20Economic%20Impact%20Report.pdf

  • ZigBee AllianceはSmart Energy Profile (SEP) 2.0規格の開発を完了、承認した。新規格にはZigbee、Wi-Fi、HomePlugの相互運用性が組み込まれ、ホーム・エリア・ネットワークにおいてエネルギー管理に必要なIPベースの情報と制御を提供する。また、電気自動車充電の制御やマンションなどの集合住宅ユニットでの展開などもサポートする。プレスリリースは以下参照。http://www.zigbee.org/News/AlliancePressReleases.aspx?Contenttype=ArticleDet&moduleId=778&Aid=454&PR=PR
  • 連邦エネルギー規制委員会(FERC: Federal Energy Regulatory Commission)はNorth American Electric Reliability Corporation(NARC)によって提出されたCritical Infrastructure Protection Reliability Standards (CIP Standards)の第5版である新しいサイバーセキュリティー標準を採用することを提案。この提案は電子セキュリティやシステムセキュリティ管理などに関する新しいセキュリティコントロールのための12の条件を含む。また、新標準では大規模系統のサイバーアセットをより効果的に把握し、保護するための多重構造アプローチがとられることになる。FERCは現在この提案に関するコメントを受け付けている。詳細は以下参照。http://www.ferc.gov/media/news-releases/2013/2013-2/04-18-13-E-7.asp#.UX_qO7XvuCk
  • Hondaアメリカはカリフォルニア大学デービス校におけるHondaスマートハウスの計画を発表。このプロジェクトは同校のネット・ゼロ・エネルギーコミュニティーであるWest Villageに建てられる予定で、交流-直流変換による電力ロスを排除できる太陽光発電から電気自動車への直接充電などのスマートグリッド技術を実証する。また、このスマートハウスでは、省エネ効果を最大化し、電力網の状況により、電力会社からの要請に反応できるよう通信できるHondaのエネルギーマネジメントシステムを利用。HVACシステムや照明はデービス校の研究者たちによってデザインされている。プロジェクトの詳細は以下参照。
    http://www.honda.com/newsandviews/article.aspx?id=7175-en

 

【蓄電】

  • 米エネルギー省のSLAC National Accelerator Laboratoryの研究者が再生可能エネルギーを電力網に接続する際に利用できる低価格のフロー電池を開発。米エネルギー省のJoint Center for Energy Storage Research battery hubのサポートを受け、リチウム硫黄を利用したもの。研究所の実験では、通常の利用5.5年分に相当する2000サイクルの使用に問題なく対応できることが照明された。研究者はこの新しいシステムは長期間使用でき、低価格であるため大規模利用に適しているのではないかと考えている。http://www6.slac.stanford.edu/news/2013-04-24-polysulfide-flowbattery.aspx

 
【電力市場】

  • Bonneville Power Administration (BPA) はFERCと供給過剰時の電力レートに関して修正を行った。このレートでは、電力需要が低く水力発電による電力供給が過剰になり、風力発電からの電力が使われない場合、風力発電業者に補償を提供する。今回の修正案では、供給過剰が起こった場合のコストは、供給過剰時に送電網を利用している顧客に課されることになる。2011年にBPAは水力発電による過剰供給のため97,500MWhを使用できなかったことがあるが、その際には発電業者を補償する仕組みがなかった。この電力レートの修正案はFERCの要請によって行われたもの。http://www.bpa.gov/news/newsroom/Pages/BPA-revises-policy-for-managing-seasonal-power-oversupply.aspx
  • FERCはIberdrolaによるBPAのサービス領域内で第3者にバランシングサービスの提供を可能にするタリフの申請を許可。Iberdrolaは自社の風力発電のバランシングサービスはBPAの同様のサービスよりも効率がよく、コスト効率もよいと主張していた。詳細は以下参照。https://www.ferc.gov/EventCalendar/Files/20130328174037-ER13-1058-000.pdf
  • カリフォルニア独立系統運用機関 (CAISO) は2012年のAnnual Report on Market Issues and Performanceを発表。その中でISO市場は競合的に効率よく機能していると述べている。主な点は以下。
    • 卸売電力コストは2%ほど低下したが、天然ガスの価格が30%ほど低下したことを考慮すると同コストは28%ほど上昇した計算になる。これは電力ロードの増加、水力発電源からの供給低下、2,000MW以上の原子力発電源の停止、送電線混雑の悪化などが理由とされている。
    • システムロードのの97%は競合性が高く効率のよい1日前市場で調達されている。
    • 2012年はISOシステム内の混雑が悪化したため、一日前市場、1時間前市場、リアルタイム市場それぞれでの価格が多様になった。
    • 2012年には700MWの再生可能エネルギー源によるピーク発電容量が追加された。ISOの電力網に直接接続されている風力発電と太陽発電をあわせると全体の約5%となっている。2011年には3.9%程度であった。
    • RPS目標達成のため、多くの太陽発電、風力発電のプロジェクトが進行中である。間欠性の高い電源を効率よく、電力網の安定性を維持しつつ導入するために、ISOの要請により稼動できる柔軟でランピングが可能な電力源が必要となる。
    • CPUCとCAISOの間で、容量市場の設立や、数年先までの資源適正プロセスを導入することなどについて議論がされている。

レポートの詳細は以下参照。http://www.caiso.com/Documents/2012AnnualReport-MarketIssue-Performance.pdf
【電気自動車】

  • オークリッジ国立研究所は車載電池の二次利用についての研究プロジェクトを行うことを発表。自動車での利用はできなくなった電池でも、住宅用など据え置き電池として利用することで電池が機能できる期間を延ばすことが可能になる。オークリッジ国立研究所、ゼネラルモーターズ、ABBの研究者が5つのChevrolet Volt搭載の電池を使い、ピークロードと時間帯別エネルギーマネジメントによるコスト削減についてテストを行う。http://www.ornl.gov/info/press_releases/get_press_release.cfm?ReleaseNumber=mr20130415-01
    • デラウェア大学とNRG Energyは自動車からグリッドへ電力を融通する (V2G: Vehicle to Grid) 実証プロジェクトを通して、PJMの電力網に電力サービスを販売することに成功したと発表。双方向インターフェイスを活用することで、電気自動車がPJMの周波数調整市場に公式に参加したことになる。V2G技術は電気自動車のオーナーに新たな収入源を与えられるのと同時に、再生可能エネルギーの導入による問題やピーク需要などの問題の解決策としての蓄電の可能性を引き出すことができるのではないかと注目されている。http://www.udel.edu/udaily/2013/apr/electric-vehicles-042613.html

【法規制関連】

  • カリフォルニア州大気資源局(CARB)は2013年度から2016年度までのCap-and-Trade Auction Proceeds Investment Planの草案を発表。このキャップアンドトレードオークションで得られた利益をどのように投資するかについての議論で、いくつかの案が提示されている。優先順に持続可能なコミュニティとクリーンな交通手段、省エネとクリーンエネルギー、天然資源と廃棄物利用などがあげられた。以上3つが温室効果ガスの排出削減目標であるAB32を達成するのに最も効果的であると考えられている。レポートの中では、カリフォルニア新幹線(ハイスピードレール)への投資や、家庭での省エネの取り組みへの融資など具体的なプロジェクトが上げられている。最終稿は議会へと提出され、その後各機関へ資金が分配される。詳細は以下参照。http://www.arb.ca.gov/cc/capandtrade/auctionproceeds/DraftCapandTradeInvestmentPlan.pdf

 

【再生可能エネルギー】

  • 国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は蓄熱設備を併設した太陽熱発電の価値の計測に関する報告書を発表。太陽熱発電 (CSP) がカリフォルニア州の電力システムに与えるであろう影響は、2020年までにRPS目標の33%を達成するシナリオを見据えて計算されている。NRELは再生可能エネルギーの導入拡大を受けて、増加すると見られる従来型の発電源の導入の必要性をCSPの利用によって低下させられるかどうか研究するため、CAISOのPLEXOSシミュレーションモデルを使用。プレスリリースによると、分析の結果、電力需要が高いときに発電が可能であったり、需要が低いときには運転を停止できるなど、指令によって運転を調節できるCSPの有益な点が実証されたとのこと。詳細は以下参照。http://www.nrel.gov/news/press/2013/2180.html
  • Civil Society Instituteは再生可能エネルギーと省エネによって、石炭と原子力による発電を全体の25%に抑えても、2050年の電力需要をまかなうことが可能であるとの報告書を発表。この研究ではNERC、FERB、 EPAなどの機関からのデータを利用して需要モデルを作成した。再生可能エネルギーによる時間ごとの発電状況のモデルにはNRELの研究を利用。今後大規模な風力発電や太陽発電の導入を行う際に、以下の点が重要であると述べている。
    • 地域間をまたいだ大規模な送電を扱えるよう、送電網の容量を拡大すること。
    • 多様な発電源を持つ地域にはより多くの柔軟な発電源と発電容量を設置すること。
    • 風力発電の導入量が多い地域には蓄電設備を併設すること。
    • 送配電システムへ投資を行い、電力システムの能力と柔軟性を高めること。
    • 需要サイドマネジメントの手段を増やすこと。

報告書の詳細は以下参照。
http://www.civilsocietyinstitute.org/media/pdfs/20130417Meeting%20Load%20with%20a%20Resource%20Mix%20Beyond%20Business%20as%20Usual%20-%20FINAL.pdf

 
【カンファレンス、ワークショップなど】

  • CalChargeとローレンスバークレー国立研究所 (LBNL) によるLBNL Energy Storage and Distributed Resources Groupのオープンハウス:5月3日 (バークレー) 蓄電ビジネス関連企業に対し、このグループに関する情報を提供するとともに、研究者とのネットワーキングも推進する。http://www.calcharge.org/event-registration/?ee=134
  • Joint Venture Silicon ValleyによるBuilding Energy Management Systemに関するワークショップ:5月9日 (サニーベール)JVSVのSEEDZイニシアチブのワークショップ。http://www.jointventure.org/index.php?option=com_content&view=article&id=896&Itemid=665
  • CARBによるZEV規制に関するワークショップ:5月20日 (サクラメント)  http://www.arb.ca.gov/msprog/mailouts/msc1313/msc1313.pdf
  • Electricity Storage Association(ESA) 年次会議:5月20日-5月22日(サンタクララ)http://www.electricitystorage.org/news/entry/call_for_abstracts_open_for_23rd_esa_annual_conference
  • Utility Variable-Generation Integration Group (UVIG):5月21日-5月22日(コロラド州ゴールデン)分散型太陽発電、風力発電に関するワークショップ。
  • Sustainable Silicon ValleyによるWEST2013サミット:5月23日 (マウンテンビュー)NASA Ames Research Centerにて。http://www.sustainablesv.org/content/west-summit
    • The Sixth annual Beyond Lithium Ion conference:6月4日-6月6日 (コロラド州ボールダー) 蓄電技術開発の動向、電池に関する研究の進捗状況の議論、次世代技術の抱える問題や事業化の機会などについて http://www.beyondlithiumion.org/web/about.php
    • Connectivity Week 2013:6月11日-6月13日 (サンタクララ) サイバーセキュリティ、エネルギーの未来、モノのインターネット(Internet of Things)の3つが主なテーマ。http://www.connweek.com/2013/
    • IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC) : 6月16日-6月21日 (フロリダ州タンパ) PV業界のトップサイエンティスト、エンジニアを迎えての1週間に及ぶ会議。http://www.ieee-pvsc.org/PVSC39/
    • The annual Silicon Valley Energy Summit:  6月28日 (スタンフォード大学) Precourt Energy Efficiency Center主催。最新技術動向、政府規制、エネルギー政策などについて。http://peec.stanford.edu/events/2013/sves/
    • The National Town Meeting on Demand Response and Smart Grid: 7月9日-7月11日(ワシントンDC)Association for Demand Response and Smart Grid (ADS)主催

 

【お知らせ】

  • Kezai Society主催のセミナー「隠れたスパースター:グローバルビジネスにおける日本の新たなリーダー」が5月15日 Palo Altoにて行われます。詳細は以下のリンクからご覧ください。http://keizai.org/wp-content/uploads/2013/04/2013_0515_event_jp.pdf
  • チリのサンティアーゴでローレンスバークレー研究所のChris Marnay氏がマイクログリッドについての会議を本年9月11日、12日に主催するとのことです。ラテンアメリカ市場などに関心があり、同会議において発表・出席に関心がある方はNEDOSV事務所にご連絡ください。
  • ハワイ電力よりデマンドレスポンスプログラムに関するRFIの情報提供を受けました。ご関心のある方はNEDOSV事務所にご連絡ください。
  • NEDOSV事務所では、昨年度Japan Silicon Valley Innovation Forumと題し、オープンイノベーションに関する勉強会を開催し、報告書を作成しました。報告書にご関心のある方は、以下のウェブページよりご覧ください。http://www.nedosv.org/japanese-companies-open-innovation/