2012年9月後半
Date: November 21, 2012
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【スマートグリッド】

  • 9月17日、ニューメキシコ州ロスアラモスにおいてNEDOのスマートグリッド実証プロジェクトの開所式が行われた。このプロジェクトは米エネルギー省のロスアラモス国立研究所、サンディア国立研究所、ニューメキシコ州とロスアラモス郡からの協力を受け、デマンドレスポンスと蓄電を使い出力が不安定であるPVの普及の度合いが高い配電システムの需給バランスの実証を行う。プロジェクトの設備は1MWのPV、1.8MWの電池と需要側の電力マネジメントを行うスマートハウスで総額40億円。この事業に関わる委託先は株式会社東芝、京セラ株式会社、アクセンチュア株式会社、伊藤忠商事株式会社、株式会社NTTファシリティーズ、株式会社サイバーディフェンス研究所、シャープ株式会社、日本ガイシ株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所。開所式のプレスリリースは以下参照。http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100149.html
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  • カリフォルニアエネルギー委員会は2012年から2014年にかけて年間1億6300万ドルの予算で運営されるElectric Program Investment Charge(EPIC)の3カ年投資計画を発表。この投資計画ではプログラムの資金の詳細や投資の目的などについて言及している。詳細は以下。
    • 消費者に経済性の高い電力購入の選択肢を提供するための新しい技術の開発やその応用方法の確立
    • 分散電源を財政的に導入しやすくなるような革新的技術やツールの開発及び戦略の展開
    • 出力不安定な再生可能エネルギーやその他の新エネルギー技術を導入するためのスマートグリッド技術やツールの開発及び戦略の展開
    • 電力網に設置する蓄電の導入と、導入場所による利点を最大限に活用できる応用方法の確定
    • カリフォルニア州の電力網の運営効率を高めるべくEVのインフラ整備を進め、より多くのEVを普及させる
    • 再生可能エネルギーを使ったマイクログリッドやスマートグリッド技術を利用し スマートコミュニティを拡大する
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    カリフォルニアエネルギー委員会は現在この計画書へのコメントを募集している。計画書の詳細は以下参                  照。http://www.energy.ca.gov/2012publications/CEC-500-2012-082/CEC-500-2012-082-SD.pdf

  • ニューメキシコ州クロビス近郊のトレスアミガスステーションでは米国東部、西部の電力会社との送電線連結に関する契約が近く締結される見通し。このプロジェクトにより、米国の3つの電力網(米国東部、米国西部、テキサス州ERCOT)が連結することとなる。その結果電力会社や送電会社は電力やアンシラリーサービスを3つの電力網のどこからでも購入できるようになる。三井物産株式会社は2011年にこのプロジェクトに1,200万ドルを投資している。このプロジェクトの詳細は以下参照。http://www.tresamigasllc.com/index.php
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  • 米国電気電子学会(IEEE)は新しい4つのスマートグリッド標準を発表。
    • IEEE1815-2012:サイバーセキュリティーの問題に関するコミュニケーション標準の最新版
    • IEEE 1366-2012:電力会社や規制機関が配電システム、サブステーション、回路や電力網の区画の信頼性の特徴付けに使用できるインデックスの決定
    • IEEE 1377-2012:スマートメーターやスマートグリッドを通じて送られるデータの符号化のための共通構造
    • IEEE C37. 104-2012:新しくスマートグリッドコミュニケーション技術を含めた遮断機の自動再投入に関する標準の最新版

 

【電気自動車】

  • カリフォルニア州ブラウン知事の2025年までに州内で150万台のゼロエミッション車(ZEV)を普及させるという行政命令を達成するための2012 ZEV基本計画の草案が発表された。この計画はカリフォルニア燃料電池パートナーシップなどの利害関係者から意見を考慮し、カリフォルニアエネルギー委員会(CEC)、カリフォルニア大気資源局(CARB)、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)、カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)やカリフォルニア州運輸局(Caltrans)などの州機関によって作成された。
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    • 電気自動車を利用する人々がすべての充電ステーションを利用することができるように支援を行い、充電機器の運用互換性にも留意する。
    • 2015年から2017年にかけての商業用燃料電池自動車の利用開始に向け、水素ステーションを配備する
    • カリフォルニア州の電力網において自動車の充電に必要なピーク需要の計画を行う。
    • 電気自動車と燃料電池自動車を購入する際の初期費用を削減する。
    • 一般市民に向け、ゼロエミッション車の利点や入手の可能性について情報を発信する
    • カリフォルニアの企業によるゼロエミッション車関連技術の実証や商業化を支援する。

   基本計画の詳細は以下参照。http://opr.ca.gov/docs/Draft2012ZEVActionPlan(09-21-12).pdf

  • カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校の環境法センターと同州立大学バークレー校のエネルギー環境法センターは共同でカリフォルニア州がどうすれば2025年までに大量に電気自動車を普及させることができるかについて報告書を発表。この報告書では以下の3点を最大の障害として挙げている。
    • 消費者が電気自動車についてよく知らないこと
    • ターゲット市場が狭いこと
    • 自宅以外での充電設備が十分に配備されていないこと

   これらの障害を受け、以下を解決策として提示している。

  • 継続的に広い範囲でアウトリーチ活動を行う
  • 電気自動車を購入することのインセンティブを高める
  • 利用しやすい充電インフラの展開を支援する

   この報告書 Electric Drive by ’25: How California Can Catalyze Mass Adoption of Electric Vehicles by 2025の詳細は以下参   照。http://www.law.berkeley.edu/files/ccelp/Electric_Drive_by_25-2.pdf

 

【再生エネルギー】

  • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)は発電設備から電力供給網に接続する過程の管理を行うためのRule21の改訂版を採択。委員会ではRule21による再生可能エネルギーの導入拡大への障壁について1年間かけて協議を行ってきた。以前のルールでは接続する発電施設が接続点のピークロードの15%以上を占める場合には詳細な調査が必要とされていたが、それでは基準として厳しすぎるのではないかという声が上がっていた。そこで今回の改訂版ではそれらの発電設備の調査のプロセスをさらに合理化し、調査にかかる時間を短縮することにより、より多くの再生可能エネルギー源を導入できるようできるよう新たに3つの審査基準が加えられた。詳細は以下参照。http://docs.cpuc.ca.gov/PublishedDocs/EFILE/PD/172820.PDF
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  • ハワイ電力(HECO: Hawaiian Electric Company)は小規模PVシステムの系統接続ルールを簡素化。10キロワット以下のシステムであれば系統接続のための調査が免除される。ハワイ電力管轄区域でのPVによる発電容量は2008年から毎年100%の伸びを記録しており、電源の多様化によって電力網に悪影響が出るのではないかとの懸念が出ていた。ハワイ電力は小規模PVシステムが電力網に及ぼす影響について研究を行い、この改定されたルールによって電力網の安定性を脅かすことはないと結論づけた。http://www.heco.com/vcmcontent/StaticFiles/pdf/20120918-easier2addsolar2roofs.pdf
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  • ローレンスバークレー国立研究所はドイツと米国のPVシステム費用を比較した報告書を発表。その中でドイツでのコストが非常に低いのは「ソフトコスト」(設置作業、許認可、系統への接続などにかかる費用)の違いによるものだと言及。
    • ドイツの住宅用PVの年間設置件数は米国の2.5倍である。
    • 2011年第4四半期時点で、米国とドイツでのPVシステムのコストの差は約$2.8/Wである。(米国:$6.21/W、ドイツ:$3.42/W)
    • ドイツのPVシステムは米国と比較して10倍のスピードで設置可能(ドイツ:7.5時間 米国:75時間)であり、結果として労働コストが下げられる。
    • 米国は系統接続や許認可にかかる費用がドイツと比べて高い。
    • ドイツ全体で実施されているPVシステムの売上税の免除がさらにソフトコストを下げている。

   報告書Why Are Residential PV Prices in Germany So Much Lower Than in the United States?の詳細は以下参          照。http://eetd.lbl.gov/ea/EMS/reports/german-us-pv-price-ppt.pdf

 

【ワークショップ関連】

  • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)は10月15日に蓄電に関する議事R.10-12-007のワークショップを午前9時から午後4時まで行う。このワークショップでは実際に電力網に蓄電設備をどのように設置するかのユースケースについて議論する。これらのユースケースは株式上場電力会社に今後課せられる蓄電調達目標を設定する際に考慮される。このワークショップ及びその他CPUC主催のイベントについてはCPUCホームページの”daily calendar”を参照のこと。http://docs.cpuc.ca.gov/PublishedDocs/Published/G000/M028/K954/28954293.PDF
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  • The Utility Variable-Generation Integration Group (UVIG) はネブラスカ州オマハで10月23日から25日まで技術ワークショップを開催予定。このワークショップでは近年増加している風力発電や太陽発電の導入や系統接続によって起こる問題について議論する。ワークショップの詳細は以下参照。http://www.uwig.org/falltechworkshop2012.html
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