2012年7月前半
Date: November 21, 2012
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【スマートグリッド】

    • オラクル社の調査によると、ほとんどのユーティリティがスマートメーターから得られる大量のデータを活用する準備ができていないことが明らかになった。アンケートに協力したユーティリティー151社の多くはどのようにデータを利用できるのかよくわからないとして、得られたデータを事業戦略の判断材料として利用できるようにすることを最優先事項としてあげている。調査書の詳細は以下参照。http://www.oracle.com/us/corporate/press/1676815

 

    • 米環境保護庁が提案したデマンドレスポンスプログラムの一部としてディーゼル発電使用の許容時間を60時間から100時間に拡大するという案が、環境団体からの反対にあっている。反対を表明している団体はディーゼル発電は非常用のバックアップとしてのみ許容されるべきだと主張しており、この新提案が受け入れられればデマンドレスポンスが導入される際のクリーンエネルギー利用の拡大を妨げることになるとしている。http://pennfuture.org/media_pr_detail.aspx?MediaID=1447&Archive=

 

  • 米エネルギー省はユーティリティー各社のサイバーセキュリティー強化のために利用できるツールを公開した。この Cybersecurity Self-Evaluation Survey Toolではユーティリティ各社がアンケート方式で質問に答えることにより、現状どのような問題があるかを割り出すことができるというもの。このツールは民間企業からの意見を集めて作成したCybersecurity Capability Maturity Modelに基づいている。http://energy.gov/articles/energy-department-develops-tool-industry-help-utilities-strengthen-their-cybersecurity

 
【蓄電】

    • 米エネルギー経済効率評議会(AEEE: American Council for an Energy-Efficient Economy)により、国際省エネランキングが発表された。この統計では経済規模上位12カ国を27の基準で評価したもの。総合順位では第1位が英国、第2位がドイツ、第3位がイタリア、日本は第4位との位置づけ。米国は第9位となっている。http://www.aceee.org/sites/default/files/publications/researchreports/e12a.pdf

 

 

【市場情報 企業買収、新規株式公開など】

    • Duke energy社とProgress Energy社は合併を完了し米国で最大規模のユーティリティとなった。これにより新しいDuke Energy社は時価総額490億ドル、総資産1000億ドル以上、710万人の顧客を抱える企業となった。http://www.duke-energy.com/news/releases/2012070301.asp

 

    • Bloomberg New Energy Finance社によると、世界全体で2012年第2四半期のクリーンエネルギーへの投資は596億ドルとなった。2012年第1四半期と比べると24%の増加という結果になったが、725億ドルの投資を記録した2011年第2四半期と比べると18%減少となる。国別では中国が第1四半期から第2四半期にかけて92%と最も増加したのに対し、米国での伸びは18%に留まる結果となった。http://www.bnef.com/PressReleases/view/234

 

【再生エネルギー】

 

    • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC: California Public Utilities Commission)は2012年版カリフォルニアソーラーイニシアチブプログラムの評価レポートを発表。その中で2011年カリフォルニア州では新たに311MW の太陽発電が導入され、同州が全米で初めて顧客による太陽発電が1GWに達した州であると報告した。また住宅用太陽発電システムの価格が2007年と比較して28%下がったとのこと。レポートの詳細は以下参照。http://www.cpuc.ca.gov/NR/rdonlyres/0C43123F-5924-4DBE-9AD2-8F07710E3850/0/CASolarInitiativeCSIAnnualProgAssessmtJune2012FINAL.pdf

 

 

【会議レポート】

 

  • Beyond Lithium-ion Battery

6月5日から7日まで、今年の「Beyond Lithium-ion battery」会議が開かれた。この会議は毎年様々な国立研究所によって開催されており、今年はカリフォルニア州のローレンスバークレー国立研究所主催で行われた。議論の中心はEVへの応用を中心とした次世代蓄電技術について。技術的な制限のためにリチウムイオンセルの開発は遅れているが、研究者たちはリチウムイオンの次のテクノロジーに注目しているようである。リチウム空気電池やリチウム硫黄電池などについて、約300名ほどの研究者や技術者たちによって議論された。次回、第6回目の同会議はコロラド州の国立再生可能エネルギー研究所(NREL: National Renewable Energy Laboratory)で行われる予定。報告の詳細は添付資料を参照。

 

  • Intersolar

 

Intersolar出席報告

NEDO SV事務所 小野寺

1.        概要

・昨年に比べると展示者も少なく、低調との評価(シャープ、京セラ、パナソニック・サンヨー、ファーストソーラー、サンパワーなどは出展せず)。Yinglee、Trina、Suntechなどの中国勢は出展。Hyundaiなど聞いたことがないメーカーが出展していたのが印象的。

・既にプレゼンスが確保されているプレーヤーはあえて出展する必要を感じず、出展を見合わせた形。プレゼンスが薄いプレーヤーが存在感を誇示していた印象(三菱電機)。

・日本勢はマテリアル部門の展示では、相当のプレゼンスを発揮(旭ダイアモンド、ダイキン、日立ハイテク、樫山工業、三井化学、長瀬、大阪ガス化学、大阪バキューム、島津製作所、東芝三菱電機産業システム、東洋炭素、TDK、山一電機ほか)。

・ドイツ勢(特にインバーター関係)は相当売り込みをかけていた(Freiburgは本展示会には初期から関わっていたとのことで、ドイツ職が昔から強い模様)。

・パネルが薄かった分、ラックなどパネル以外の展示のほうが充実していたとの評価。(Mercomのレポートは別添)

・冒頭セッションではSF市長、フライブルグ市長、DOE Sunshot Initiative責任者などの要人からのスピーチが行われたほか、米欧に地の3研究所によるソーラー研究協力に関するMOUを締結(NREL/フラウンホーファー・ソーラー研究所/産総研)。本MOUの効果的

な実行が日米欧の3極体制を維持できるかの試金石になると見込まれる。産総研近藤道雄太陽光研究センター長が出席。

 

2.        冒頭セッション

(1)    SF市 Lee市長

SF市には200社超のクリーンテックの会社が在籍。市としても100%再生可能エネの目標を設定し、グリーンビル化を推進。Clean Tech Groupが、SF市のGreenな市街地規則に着目し、最近SFを最もGreenな街に選出。[1] リサイクル率は78%を誇る。最近PUC公益事業委員会のビルを建て替え、Leed Platinum、100%雨水利用のグリーンビルにした。[2]カリフォルニアのGo Solar ProgramでPV支援を推進。SFEnergyMapを作成し、[3]各建物の太陽光ポテンシャルを解るようにし、許認可の円滑化も進めている。

(2)    Freiburg市

都市間のつきあいは重要。FreiburgとSFの長いつきあいに感謝。本展示会・会議も長いつきあいの賜。

(3)    Cal Solar Energy Industries Association  Nelson氏(Brian Crabb氏に引継ぎ)

150のメンバー。Net metering、Solar rights act、Rate restructuring、FIT、RECsなどが主たる成果。100%Solarのシナリオを組むとしたら、太陽光、風力、その他で1:1:1になると考える。夏には超過電力が生じるので将来的には水素、メタンなどの蓄エネルギー方式を検討する必要。Solarへの電力会社の反対は大きかったが、これは一番利益の大きい昼間のピークをPVが奪うため。太陽光の導入が増えるたびに、ピーク価格は20%低落した。

(4)    Sunshot Initiative 責任者(R. Ramesh氏)

太陽光発電の価格低減を早期達成し、普及拡大を図ることを目的としてプログラム推進中。http://www1.eere.energy.gov/solar/sunshot/index.html

現在の5.71USD/Wから補助金なしで75%コストを削減し、1.50USD/wまで下げたい。Power Electronics、BOS Hardware、効率改善、Module製造のほか、実はSoft BOSが非常に重要だということが解った。(米ではPV設置前に148ページにもわたる書類の提出が必要)15の公募のうち14がソフトに焦点を当てたもの。

システム設計から許認可申請までを円滑化するソフト開発で相当コストを下げられる。

Sunshotではまずはワットあたり2ドルまで下げるコンテストを実施中。独では2.5ドルで売っているので、米でも可能なはず。500万ドルを賞金とした。

製品化から大量製造への移行が課題となっているので、DODと提携してSUNPATH IIというプログラムを開始。

PVの大量導入の課題の一つはBankabilityなので、標準的な試験をするためのRegionla Test Centerを募集。アルバカーキ、デンバー、フロリダ、バーモント、ネバダが候補。

Plug and Playが可能になるのが理想。飛躍的な技術開発を募集するとともに、CIGS、OPVなどの各分野で具体的目標を設定している。

 

(5)    NREL Dan Arvisu所長

NRELは2500人のスタッフ、388百万ドルの予算の研究所。多数の協力協定を結んでおり、最近Net Zero Energy BuildingであるResearch Support Facilityの建物を建築。

各技術分野で課題は山積。

再生可能エネルギーの導入拡大に向けて多数の報告書を作成(例えば2050年までの再生可能エネ導入量を試算した“Renewable Energy Future Study”[4]、東部風力統合可能性調査[5] )。

(6)    AIST 近藤道雄センター長

産総研は2001年に設立、2300人規模、900百万ドルの予算。75%は補助金で運営。

そのうちPVは約50人、30百万ドル。7年で700のペーパー、118の特許を創設。吸収に試験施設を創設したほか、福島に新たな120百万ドル、20社ぐらいのクラスターを創設。小長井先生を中核として薄膜シリコンの研究を実施。

(7)    Fraunhofer

独では再生可能エネ急増。2012年で120TWh(うちPV10TWh、風力20TWh)を達成。

電力のピーク時に太陽光が来る形。

2012年を見ると太陽光、風力を会わせた供給量は合計5.6TWh~7.6TWhで安定。

世界のPVの動向を見ると、市場は順調に拡大。2011年には26GW導入と予想。生産を見ると、2000~2006が日本の天下、2004~2008に短期間独が強かった時期があったが、今は中国の天下。技術ではシリコンが主。単結晶シリコンが中国の台頭で2005年以降息を吹き返した、2005年~2009年上昇していたThin filmの拡大傾向が停滞している。PVは生産拡大に伴い急速に価格下落。技術別(単結晶シリコン、多結晶シリコン、Thin Film)に見ても同等のレベルまで下がっている。多結晶シリコンでは、Advanced Metalisation、selective emitters、Dielectic surface passivation、Thinner wafer、Process control、 Ultra Light trapping、Material quality、Back contact cellsなどが開発課題。現在地球のエネルギー需要は16TWで、PVはそのうち10%、最大30-40%供給すると仮定すると、3TWの電力、PVにすると12TW必要。2009年までに20GW、2010年に17GW 、2011年に25GW導入。このペースでは12TWに到達するのに500年かかる。今後30GW 市場から100-300GW市場に拡大 予想。


[1] http://blog.iesve.com/index.php/2012/05/04/its-official-san-francisco-is-cleantech-capital-of-north-america/

[2] http://www.ulisf.org/san-francisco/new-sf-puc-headquarters-tour-recap/

[3] http://sfenergymap.org/#

[4] http://www.nrel.gov/analysis/re_futures/

 

[5] http://www.nrel.gov/analysis/re_futures/