2012年5月後半
Date: November 21, 2012
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【スマートグリッド】

    • Institute for Electric Efficiency (IEE) によると、米国では2012年5月時点で3600万台、全家庭の約3分の1にスマートメーターが設置されたとのこと。2015年までに6500万台、全家庭の約半分に普及する見通し。カリフォルニアの民間電力会社3社、Pacific Gas & Electric (PG&E)、San Diego Gas & Electric (SDG&E)とSouthern California Edison (SCE)を含む多くのユーティリティが2012年末までにスマートメーターの配備を完了するとしている。http://www.edisonfoundation.net/iee/Documents/IEE_SmartMeterRollouts_0512.pdf

 

 

    • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC :California Public Utility Commission)は2011年12月にパブリックグッズチャージの期限切れをうけて作成された電力プログラム投資課税(EPIC: Electric Program Investment Charge)のフレームワークを発表。このプログラムは2013年から2020年まで毎年1億6200万ドルをクリーンエネルギーテクノロジー分野に提供する。カリフォルニア州の民間電力会社3社の顧客へ利益を提供することを目的に、カリフォルニアエネルギー委員会が資金の80%を管理し、20%を電力会社が管理する。http://docs.cpuc.ca.gov/PUBLISHED/NEWS_RELEASE/167287.htm

 

    • 5月17日NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構はニューメキシコ州アルバカーキにてメサデルソル、PNM、サンディア国立研究所、ニューメキシコ大学と協力して進めているマイクログリット実証プログラムの運開式を行った。7250平方メートルのアパチャーセンターで様々なテクノロジーを使用し、デマンドレスポンス、ピークロードマネジメント、停電時のアイランドモードなどを可能にする。このプロジェクトでは50kWの太陽光発電システム、80kWの燃料電池、240kWの天然ガス発電装置、160kWの蓄電装置とBEMSを採用。http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100122.html

 

 

 

    • 電気自動車充電器の製造会社ECOtalityはNRG社とカリフォルニア公益事業委員会(CPUC :California Public Utility Commission)との州内に充電器を設置するという合意に対し訴訟を起こした。NRG社はカリフォルニア電力危機における同社の責任を取る形で充電ステーションの設置に合意していた。ECOtalityはこの合意の締結はカリフォルニア公益事業委員の権限を越えたものであり、NRG社がカリフォルニア電力危機の際に市場を独占したことへの処罰ではなく褒賞を与えることになってしまうとしている。. http://www.ecotality.com/media/press-releases/ecotality-files-lawsuit-to-halt-illegal-california-puc-agreement/

 

【電気自動車】

 

【蓄電】

    • KEMA社とサンディア国立研究所によって開発されたEnergy Storage SelectまたはES Selectと呼ばれる様々な蓄電技術を分析し、個別の状況にどう組み込むことができるかを判断するツールが発表された。高レベルの分析を提供するべく、財政的、技術的な不確定要素を統計分布で示す。このソフトウェアは公共に無料で提供されている。詳細は以下参照。http://www.sandia.gov/ess/esselect.html

 

    • ローレンスバークレー国立研究所(LBNL: Laurence Berkeley National Laboratory)とカリフォルニアクリーンエネルギー基金は協力してベンチャー企業による蓄電技術の開発を支援する研究所を設立することを発表した。CalChargeと呼ばれるこのプログラムは蓄電技術開発者のコミュニティーを作り、ローレンスバークレー国立研究所の設備の使用を可能にするなど教育・研究機関や政府のリソースを提供する。資金は会員から集められる予定であり、現在会員を募集中。http://calcef.org/2012/05/29/an-accelerator-lab-for-battery-startups-launches/

 

 

【市場情報 企業買収、新規株式公開など】

    • 米商務省は中国の太陽光パネル製造者及び輸出業者に対するアンチダンピング課税の仮決定を行った。Wuxi  Suntech Power社のダンピングマージンは31.22%、Changzhou Trina Solar Energy社は31.14%、その他59の輸出業者のレートは31.18%とした。以上のカテゴリーに含まれない各社に対しては一律249.96%とした。米商務省は今年10月に最終決定を行う。http://ia.ita.doc.gov/download/factsheets/factsheet-prc-solar-cells-ad-prelim-20120517.pdf

 

    • 国際電力マネジメント会社Eaton Corporationは電気機器の製造業者であるCooper Industriesを11億8000万ドルで買収すると発表。この2社が統合することにより、提供可能な製品やサービスの範囲がさらに広くなり、世界のグリッド市場に向けて事業の拡大ができることになる。http://www.eaton.com/Eaton/OurCompany/NewsEvents/NewsReleases/PCT_361382

 

【再生エネルギー】

    • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC :California Public Utility Commission)は満場一致でネットメータリングの上限を引き上げる決断をした。ソーラーパネルで発電した余剰電力をクレジットとして受け取ることができるネットメータリングの上限は「ピーク需要の統計の5%」となっていた。ユーティリティはこの「ピーク需要の統計の5 %」という概念を独自に解釈し、システム全体での最も需要が高かった時点の5 %を計算していた。しかし、その統計の算出方法を個別顧客それぞれのピーク需要の合計であると明確にしたことにより、ネットメータリングの上限はほぼ2倍となった。この決定がなければ、屋上ソーラーパネルの設置の大きな動機となっているこのネットメータリングは、早くて2013年には上限に到達するだろうと言われていた。http://docs.cpuc.ca.gov/PUBLISHED/NEWS_RELEASE/167299.htm

 

    • 米エネルギー情報局からのデータによると、ネットメータリングへの参加が急激に伸びているとのこと。2003年から2010年にかけて、伸び率の年間平均は56%であった。しかし参加率は急激に伸びてはいても、参加者はアメリカ全体の0.1%程度に滞っている。国全体でのネットメータリング参加者数は2010年時点で155,841世帯となっており、そのうちの56%(86,495世帯)をカリフォルニア州が占めた。それに続くのがコロラド州で6.3%(9,776世帯)とアリゾナ州の5.5%(8,559世帯)。http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=6270

 

    • カリフォルニアの独立系統運用機関(CAISO)は再生エネルギーを含む分散電源の電力網への連携に関する合理化されたプロセスを採用した。この新しいプロセスは従来連携可能かの分析結果が出るまでに最長2年ほどかかっていた期間を半分に短縮する。CAISOは毎年どこにどれだけの分散電源を設置できるかの情報を提供していく予定。このことにより、小規模の分散電源が電力網に連結されやすくなる。http://www.caiso.com/Documents/California_ISOHelpsAdvanceMini-solarPlantsOtherDistributedGeneration.pdf

 

 

【今後のカンファレンスのご案内】

 

ソーラー関連

 

蓄電関連

 

 

 

スマートグリッド関連

 

 

クリーンエネルギー関連

 

 

以上の会議の中で5thAnnual Storage WeekにはNEDOのプロジェクトでご協力いただいているハワイ電力の Marc Matsuura氏とPNMのSteve Willard氏がスピーカーとして参加される予定です。詳細に月ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

編集後記

5月17日にNEDOのアルバカーキ・プロジェクトの運行開始式を、弊機構古川理事長、清水建設宮本社長を初めとする関係各社の関係者の参加を得まして、執り行いました。プロジェクト開始から3年超ここまで来るのはなかなか長い道のりで、これからも実証し、データ取りをしっかり分析するという本当の仕事が残っているわけですが、一つのマイルストーンを達成したのは確かです。9月にはロスアラモスの方のプロジェクトの運行開始式も控え、息は抜けません。

現地のMesa del Sol(親会社はForest City)、サンディア研究所、電力会社であるPNM、ニューメキシコ大学と多くのパートナーを抱え、また、国内では清水建設、東芝、東京ガス、三菱重工、シャープ、明電舎、富士電機、古川電工、古河電池と9社の関係者を抱える大プロジェクトで当然調整が非常に大変でした(大変です)。

しかし、業界紙などでの取り上げ方を見ていると、このような多くの関係者とのパートナーシップの重要性を痛感します。幅広い人脈をそれぞれの機関が持っており、それぞれが参加意識を持って頑張っていると、一企業、一機関ではできないことを達成することが可能になります。

IBM、GEなど多くの米企業は、うまく研究所、大学、ベンチャーなどと提携をして、企業戦略を進めているように思います。是非NEDOプロジェクトに限らず積極的に米研究所、大学、ベンチャーなどとの提携を進め、イメージ戦略を進めることが重要と感じました。

(小野寺)