2013年3月後半
Date: April 17, 2013
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  • カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)の理事会はPacifiCorpとリアルタイム市場を形成するため交渉を開始することを決定。リアルタイム市場が実現すれば、CAISOとPacifiCorp傘下の二つの系統運用機関が互いのリソースを利用して電力網の安定を図ることができるようになる。地理的により広い範囲での市場を形成することで利用可能なリソースを活用し、予備電力の必要性を減少させ、再生可能エネルギーの電力網への統合を推し進めることができる。リアルタイム市場の利点を研究した報告書では、この市場の導入によって2017年までに2100万ドルから1億2900万ドルの費用削減が可能であるとのこと。プレスリリースなどの詳細は以下参照。http://www.caiso.com/Documents/NewsRelease-ISOBoardVotesUnanimously_GiveGo-Ahead-EIM_Negotiates_PacificCorp20130320.pdf

 
【再生可能エネルギー】

  • カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)は2012年の第3、第4四半期分のRPS四半期報告書を議会に提出。進捗状況の最新情報を報告した。
    • 株式上場電力会社3社は2012年に供給した電力の19.8%をRPS適格の発電源を使って提供。PG&Eは19.8%、Southern California Edisonは20.6%、San Diego Gas & Electricは20.3%との結果。
    • 2003年のRPSプログラム開始後から、4,498MW分の再生可能エネルギーによる発電施設が操業開始している。2012年には1,957MW相当が運転開始、3013年には3,000MW以上が運転を開始する予定。
    • 2012年CPUCは3,725MW 相当、64の再生可能エネルギー発電施設との契約を承認している。

報告書の詳細は以下参照。http://www.cpuc.ca.gov/NR/rdonlyres/3E3D924F-6E0F-43D2-88FF-204861A4410E/0/2012_Q3_Q4RPSReportFINAL.pdf

  • 米内務省は米国西部の国有地での3つの再生可能エネルギープロジェクトを認可した。750MWのMcCoy Solar Energy Projectと150MWのDesert Harvest Energy Farmは太陽発電に最適な国有地を明らかにするために行われた連邦プログラムによって設定されたカリフォルニア州のRiverside East Solar Energy Zoneに位置している。200MWのSeachlight Wind Energy Projectはネバダ州クラーク郡の公有地に建設される。以上のプロジェクトに関するプレスリリースは以下参照。http://www.doi.gov/news/pressreleases/secretary-salazar-approves-three-renewable-energy-projects-in-california-and-nevada.cfm

 

【法規制関連】

  • オバマ大統領は議会にエネルギー安全補償基金(Energy Security Trust)の設立を要請。石油や天然ガス等の化石燃料の収益から10年間で総額20億ドルを電気自動車やバイオ燃料、燃料電池、国産の天然ガス開発など、代替燃料を利用する車両技術の研究開発に投入する。米国の石油への依存を減らし、新しく雇用を生み出し、エネルギーコストを削減することを目標とする。詳細は以下参照。http://www.whitehouse.gov/infographic/energy-security-trust

【交通/輸送関連】

  • 国立再生可能エネルギー研究所とアルゴンヌ国立研究所の共同研究 “ Transportation Energy Future ” によると、包括的なアプローチによって温室効果ガスの排出と交通・輸送セクターでの化石燃料の使用を2050年までに80%削減できる可能性があるとのこと。一つで万能の解決策は存在しないが、交通・輸送セクターでのエネルギー消費を減らし、バイオ燃料の利用を増やし、電気自動車や水素自動車などの技術を活用するという3つの戦略を実行することで、大幅な削減が見込める。この研究プロジェクトは「軽自動車」「非軽自動車」「燃料」「交通・輸送需要」4つの部門に分かれている。研究結果の詳細は以下参照。http://www.nrel.gov/analysis/transportation_futures/

【イノベーションと企業家精神】

  • Advanced Research Projects Agency-Energy (ARPA-E) は車両技術研究を進めるため、2つのプログラムを創設すると発表。車両をより軽量に効率よくするためにアルミニウム、マグネシウム、チタンなどの軽金属を再利用する技術の開発を目指すModern Electro/Thermochemical Advancements for Light-metal Systems (METALS) に2000万ドルを提供。また、輸送機関の燃料として使用するために天然ガスを液体化するバイオ技術の開発を目指すReducing Emissions using Methanotrophic Organisms for Transportation Energy (REMOTE)にも2000万ドルを提供する。REMOTEプログラムの目標は、ガスの液体化にかかる費用を削減すること、低価格で国産の天然ガスの利用を増やすこと、従来の燃料を利用するよりも温室効果ガスの排出を削減すること、となっている。.http://arpa-e.energy.gov/?q=arpa-e-news-item/arpa-e-announces-40-million-research-projects-develop-cleaner-and-cheaper
    • 米エネルギー省はClean Energy Manufacturing Initiative(CEMI)の立ち上げを発表。このイニシアチブでは同省から新しく資金提供を受け、民間セクターとの提携や、今後の資金提供計画の参考となるようクリーンエネルギー関連製造業のサプライチェーンに関する研究・分析を行う。CEMIの目標は以下のとおり。
      • クリーンエネルギー関連製品の製造において米国の競争力を向上させること: 米国の持つ有利な要因を最大化し、問題点を克服できる技術に戦略的に投資を行う。
      • エネルギー効率を上げることで米国の製造業における競争力を向上させること:省エネ、熱伝併給システム、安価な国産の燃料を活用することにより製造業者の競争力を向上させられる技術などに戦略的に投資を行う。

CEMIに関する詳細は以下参照。http://www1.eere.energy.gov/energymanufacturing/index.html

 
【電力網計画】

  • CAISOの理事会は州の政策と電力網の安定化を計るために必要な2013年から2014年の送電網の改良計画を承認。5つの政策主導の改良と、安定性を向上させるための36のプロジェクトが盛り込まれている。この合計41のプロジェクトにかかる費用は17億ドル程度と見込まれており、2020年までにRPS33%という州の目標を達成するためには重要な投資となる。詳細は以下参照。http://www.caiso.com/Documents/DecisionISO_2012-2013_Transmission_Plan-Draft%20Plan.pdf
  • 米国土木協会(ASCE: American Society of Civil Engineers)は「2013年米国インフラの評価」を発表し、電力インフラの評価を「D+」とした。報告書では、現在の電力網は近い将来の需要にこたえることはできても2020年以降安定した電力を提供し続けるためには大幅な改良が必要で、送電混雑の問題についても解決しなければならないとした。財政的には配電インフラの改良に570億ドル、送電インフラの改良に370億ドルが必要だろうとしている。報告書では改良に関して以下のようなアドバイスを提示。
    • 連邦エネルギー政策の採用
    • 送電網プロジェクトを迅速に認可する仕組みの設置
    • エネルギー保障に関するリスクを明確にし、それらの優先順位をつけ、リスクを管理するための基準やガイドラインの作成
    • 郊外から都市部へ電力を運ぶための送電線の建設
    • エネルギー保全へのインセンティブを作り、効率のよい発電設備を開発すること
    • 送電や発電インフラを向上・強化し、スマートグリッド、送電キャパシティのリアルタイム予測、投資利益率がよく持続可能な発電設備などの技術の導入を進めるための研究活動を続けていくこと

水道、航空、道路など米国のインフラ全体に関するこの報告書の詳細は以下参照。http://www.infrastructurereportcard.org/a/#p/home
【スマートグリッド】

  • 国立再生可能エネルギー研究所(NREL: National Renewable Energy Laboratory)はスマートグリッド関連の研究を行うために1億3500万ドルの資金を使って作られたエネルギーシステム統合施設(Energy System Integration Facility)をオープン。この施設には蓄電、ソフトウェア、スマートアプライアンスなどの多くのスマートグリッド技術を実際に電力網に接続した場合のシュミレーションを行えるスーパーコンピューターに繋がっている15の研究所が所属する。費用を支払えば企業はこの施設で自社の製品のテストを行うことができ、NRELの研究者からのサポートも得られるとのこと。現在2つの企業がインバーターやコミュニケーションソフトウェアや電化製品をテストするための契約を済ませている。http://www.denverpost.com/breakingnews/ci_22793143/new-nrel-facility-will-help-researchers-study-smartgrid

 
【カンファレンス、ワークショップなど】

  • UWIG ワークショップ:4月2日- 4月4日 (サウスカロライナ州チャールストン)UWIGによる風力・太陽光接続に関するワークショップ http://www.uwig.org/annualmeet2013CHS.html
  • Joint Venture Silicon Valley シリコンバレー蓄電シンポジウム:4月11日(マウンテンビュー)カリフォルニア州下院議員ナンシー・スキナー氏、パトリシア・ホフマン氏、米エネルギー省配電及びエネルギー信頼政局(Office of Electricity Delivery and Energy Reliability)の次官補などをゲストスピーカーとして迎える。http://www.jointventure.org/index.php?option=com_content&view=article&id=871&Itemid=436
    • The Future of Energy Summit:4月22日-4月24日(ニューヨーク市) Bloomberg社主宰の新エネルギー関係の会議。金融関係者と産業関係者の接点をつなぐ会議 http://about.bnef.com/summit/program/
    • CalChargeとローレンスバークレー国立研究所(LBNL)によるLBNL Energy Storage and Distributed Resources Groupのオープンハウス:5月3日 (バークレー) 蓄電ビジネス関連企業に対し、このグループに関する情報を提供するとともに、研究者とのネットワーキングも推進する。http://www.calcharge.org/event-registration/?ee=134
    • Electricity Storage Association(ESA) 年次会議:5月20日-5月22日(サンタクララ)http://www.electricitystorage.org/news/entry/call_for_abstracts_open_for_23rd_esa_annual_conference
      • The Sixth annual Beyond Lithium Ion conference:6月4日-6月6日 (コロラド州ボールダー) 蓄電技術開発の動向、電池に関する研究の進捗状況の議論、次世代技術の抱える問題や事業化の機会などについて http://www.beyondlithiumion.org/web/about.php
      • Connectivity Week 2013:6月11日-6月13日 (サンタクララ) サイバーセキュリティ、エネルギーの未来、モノのインターネット(Internet of Things)の3つが主なテーマ。http://www.connweek.com/2013/
      • IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC) : 6月16日-6月21日 (フロリダ州タンパ) PV業界のトップサイエンティスト、エンジニアを迎えての1週間に及ぶ会議。http://www.ieee-pvsc.org/PVSC39/
      • The annual Silicon Valley Energy Summit:  6月28日 (スタンフォード大学) Precourt Energy Efficiency Center主催。最新技術動向、政府規制、エネルギー政策などについて。http://peec.stanford.edu/events/2013/sves/